コロナウィルス対策に伴う外出自粛制限や景気先行き懸念による買い控えに伴い、2020年6月の国内新車販売台数は前年比74%と大きく減少しています。
2020年上期(1月~6月)でも前年比80.7%と減少しています。
一方で、2020年6月の中古車登録台数は前年比で106.1%と増加しており、回復の傾向にあります。
ウィルス感染対策として、公共交通機関ではなく車の利用を考える人も増えており、中古車への需要が増加しています。
中古車販売大手ガリバー・ネクステージでも下期は販売台数が回復見込みと発表しています。
本日は、ガリバー・ネクステージの決算も踏まえながら、2020年下期の中古車相場動向を見ていきます。
中古車販売は回復傾向で相場も上昇
コロナウィルスの影響で、国内新車販売台数が大きく減少する中、中古車登録台数は直近月で前年を上回り回復傾向にあります。
景気の先行きが不透明ということから、新車ユーザーの一部が中古車に流れていると考えられます。
※日本自動車販売連合協会HPより
オートオークション最大手「ユー・エス・エス」の成約車両単価も下記表のように4月を境に上昇傾向に転じています。
※ユー・エス・エスHP オークションデータより
中古車買取店のほとんどは「ユー・エス・エス」の成約金額をもとに買取価格を出しているため、成約単価が上がると買取価格も上がります。
2020年下期においては、新車よりも中古車を検討する人が増えることで、下落していた中古車相場が回復し、しばらくは維持されると考えられます。
中古輸入車は特に需要増
中古車の中でも輸入車の中古車は特に需要が高まってきています。
下記表のように直近月では前年比114.9%と大きく数字を伸ばしています。
※日本自動車輸入組合HPより
近年の輸入車人気の高まりとともに、ネクステージ「ユニバース」やガリバー「LIBERALA」などの輸入車専門店が多く展開し、質の良い中古の輸入車が多く出回ってきたことが要因と思われます。
実際、店舗の営業マンに話を聞いてみると、通勤や仕事で利用するため、すぐに欲しいという方がおり、新車よりも納期が短い中古車を選択するケースが増えてきているということです。
車種別では、ベンツ(前年同月比15%増)、BMW(同13%増)、アウディ(同16%増)が好調であり、これらの車種で状態の良い車は特に高く売れる確率が高いです。
輸入車を売却する場合は、大手買取店よりも輸入車買取専門店に依頼することをおすすめします。
理由としては、輸入車買取専門店は独自の販売ルートを持っていることと、査定の精度が高いからです。
輸入車の買取は専門店に依頼したほうが良い理由は下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
ガリバー・ネクステージでも販売回復傾向
ガリバーは直近の四半期決算(2020年3月~5月)で営業利益は減少しているものの、販売台数は前年を維持していると発表しています。(第1四半期決算説明資料より)
来店客数も回復傾向とのことで、上期(2020年3月~8月)の業績予想については達成見込みとのことです。
ネクステージでも、5月下旬以降は来店客数が回復基調と発表しています。(第2四半期決算説明資料より)
来店客数が回復することを見込み、大型販売店の出店攻勢も継続するとのことです。
両社とも販売増を見込んでおり、在庫車両の買取強化を継続的に行うことが予想されます。
2020年下期の中古車市場は活性化見込み
外出自粛で新車販売が落ち込む中、中古車販売は徐々に増加傾向にあります。
中でも輸入車の増加傾向が強く、2020年下期はこの傾向が継続しそうです。
また、新型ハリアーが月販目標台数3千台を10倍以上上回る驚異的な受注獲得をしており、ハリアーの下取りとして、良質な中古車が出回ることで、中古車市場の追い風になりそうです。
買取店は次に販売しやすい車を積極的に買い取ることが予想され、走行距離が少ないとか内外装がキレイという車はより高く売れる確率が高いです。