モノを「購入」するより、月々定額の利用料を払うことでモノを「利用」するサービスの需要が高まってきています。
車業界においても現金やローンで車を購入するより、ランニングコストを含めた月額利用料を払うことで車を利用する「カーリース」の注目度が高まっています。
「カーリース」のメリットのひとつとして、現金やローンで購入するより、支払総額が安いということがあります。
一例としてトヨタノアS-Gを3年の残価設定ローンで購入した場合と、カーリースの「クルカ」で利用した場合の支払総額では、約63万円クルカのほうが安価です。
※グレードはS-G 外装色パールホワイト オプションは快適利便パッケージ(MID)、バックガイドモニター、フロアマット 3年後残価は新車価格の60% ローン金利は3.9%で試算
さらに、カーリースの場合は、購入時のローン手続きや税金支払いの手間などが無いというメリットもあります。
本日は、需要が高まってきている「カーリース」の中で、利用料が安い「クルカ」について、安さの理由と5つの注意点をみていきます。
「クルカ」は3年以内のリース契約で利用料が安価
月額利用料を支払うだけで車が利用できるという手軽さがウリの「カーリース」ですが、提供されているサービスは数多くあり、どこが良いのか迷うと思います。
利用料の安さが際立つのは、株式会社クルカが運営する「クルカ」です。
「クルカ」の利用料(月額)は、他社カーリース大手が提供する利用料に比べると、3年契約で約半額という大きな差が出ます。(下記表参照)
※条件:メンテナンス無、ナビ無、標準色、3年リース 利用料は税込(2023年8月現在)
ここまでの差が出るのは、カーリースの大手は5年や7年などの長期リースを主としていますが、「クルカ」では3年以内という短い期間に絞っているということがあります。
また、契約終了時(3年後)の残価を採算ギリギリの高値で計算していることもあります。
「車は長く所有し乗り続けるもの」という考え方から、「状況や環境に応じて一定期間利用する」という考えに変わってきており、その変化に「クルカ」は対応していると言えます。
「クルカ」の利用料が安い2つの理由
理由① リース契約終了時の残価を高く設定している
「クルカ」の契約は3年という短期間契約であり、リース契約期間終了時の車の価値(残価といいます)を非常に高く設定しています。
リースの利用料は、新車本体価格から残価を差し引いた金額で算出されるため、残価が高いほど利用料が安くなります。(下記図参考)
※クルカHPより
残価を高く設定できる理由としては、リース契約終了後の車両を中古車として高値で流通させるノウハウを持っていることと、1台に対する利幅を削っているということがあります。
理由② 手続きをネットで行っている
「クルカ」では、見積もり・審査までの手続きをネット上で行っており、その分の人件費を削減しています。
通常、他社では問い合わせや審査について、電話等での対応となります。
対応する人件費を削減することで、利用料の低減につなげています。
契約が完了し納車の際は、自宅まで届けてもらえるということで、購入のように何度もディーラーに足を運ぶ必要もありません。
「クルカ」利用時の5つの注意点とは
注意点① 定期メンテナンスがない
「クルカ」では、利用料を抑えるために定期的なメンテナンス(点検)がありません。
通常、他社ではメンテナンス有無を選択できますが、「クルカ」では選択できません。
12か月点検などの点検を受けたい場合は、自分でディーラーや整備工場に持ち込み有償で対応してもらう必要があります。
ただし、メンテナンスが無くてもメーカーの保証は受けらます。
新車のメーカー保証は3年間ついているため、「クルカ」の最大利用期間3年はカバーでき、車両の不具合があった場合はそちらで対応してもらえます。
国産の新車であれば3年以内に大きな不具合が起こることはほぼ無いため、メンテナンスが無くても大きな問題は無いと思います。
注意点② 任意保険(自動車保険)はついていない
「クルカ」では利用料に任意保険料は含まれていません。強制保険である自賠責保険は利用料に含まれます。
任意保険はあくまで任意ですが、加入する場合は車両に応じた任意保険を自分で加入する必要があります
注意点③ 利用車種が限られる
他社のカーリースでは、全メーカー全車種から利用車種を選べるところがあることに比べ、「クルカ」では利用車種が限られます。
2023年8月現在では、「クルカ」の利用車種は24車種です。
利用車種が限られている理由は、メーカーから安く仕入れられる車種に限定しているためです。
メーカーはトヨタ車が主で、人気のある車種に限定されますので、2シーターのスポーツタイプが良いなどという方には不向きです。
注意点④ 中途解約・契約延長ができない
「クルカ」の契約期間は3年であり、中途解約はできません。(通常プラン選択時)
どうしても中途解約しなければならないという場合は、別途の見積もりで解約金が発生します。
また、他社のカーリースであるような、契約期間終了後の再リース(契約延長)もできません。
車が気に入ったから契約を延長したいという場合でも、車を返却する必要があります。
注意点⑤ 車をカスタマイズできない
他社のカーリースでも同様ですが、利用している車を自分好みにカスタマイズすることはできません。
アルミホイールやマフラー、オーディオ等の電装系を自分好みに変更したいという人には不向きです。
ただ、返却時にリース開始の現状に戻して返却できれば問題ありません。
カーリースに共通したメリット・デメリットについては下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
1年以上利用で解約金不要の「自由解約型プラン」
通常カーリースでは契約時に定められた契約期間内で解約する場合は、解約金が発生します。
クルカでも通常プラン選択時では期間内解約すると解約金が発生しますが、1年以上の利用で以降の解約時に規約金が不要となる「自由解約型プラン」が新たに誕生しました。
「自由解約型プラン」では下記のように当初1年間は利用料が高くなりますが、2年目は通常プランと同額、3年目は通常プランよりも安価と年ごとに安くなり、3年の支払総額としては通常プランと同額になります。
利用開始後1~3年の間に解約する場合は、「自由解約型プラン」のほうがメリットが出ます。
「クルカ」をおすすめできる方、できない方
「クルカ」をおすすめできる方は下記のような方です。
・とにかく月々の利用料を安くしたい
・一定期間(1~3年)ごとに新しい車に乗り換えたい
一方、「クルカ」をおすすめできない方は下記のような方です。
・定期的なメンテナンスや任意保険料も利用料に含んでほしい
・長期間(5年~)のリース契約を組みたい
・全メーカー(輸入車含む)の中から利用車種を選びたい
クルカの車種ごとの詳細な価格等は下記公式サイトから確認できます。
トヨタディーラーのメンテナンスと任意保険付きの「KINTO」とは
トヨタがカーリースと同様の月額定額で利用できるサービス「KINTO」を開始し、話題になっています。
「KINTO」はトヨタの新車を月額定額で利用でき、利用料にはトヨタディーラーのメンテナンスと車両保険付きの任意保険の料金も含まれています。
「クルカ」よりは利用料が高額となりますが、任意保険契約の手間が無いなどのメリットがあります。
「KINTO」について詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
今乗っている車を高く売るにはオークション方式の買取サービスを試してみる
「クルカ」などのカーリースで新しい車の乗り換えをするために、今乗っている車をとにかく高く売りたいという際は、「オークション方式の買取サービス」を検討してみることをおすすめします。
「オークション方式の買取サービス」の買取サービスとは、ユーザーの車を欲しい複数の買取店がネット上のオークションで競り合うことで、高く売れるという新しいサービスです。
査定を受けてオークションに出品したら入札を待つのみであり、買取店との交渉が不要という特徴もあります。
「オークション方式の買取サービス」で近年利用者を伸ばしている「セルカ」では、全国の買取店約6,000社からの入札を見込むことで、ハマれば高く売れるとの評判があります。
下記のように他社より約80万円も高く売れたという事例もあります。
査定を受けてオークションに出品しても希望通りの入札が入らず、売買が成立しないという場合もありますが、出品料は無料であり、時間がある方は試してみてはどうでしょうか。
査定は下記公式サイトから依頼できます。
買取店とじっくり交渉をして、確実に売りたいという場合は、下記カーセンサーネットから大手買取店に査定依頼することができます。
カーセンサーネットは提携買取店数がナンバー1であり、複数買取店を簡単に絞り込んで依頼できます。
カーセンサーネットを利用することにより、買取店は競合があると考えるため足元を見られる心配はありません。
大手買取店の中では、販売が好調で在庫拡充のため買取に積極的な「ネクステージ」を含めることをおすすめします。
値段よりも接客や手続きの安心度を重視したいという方は、「アップル」か「カーセブン」をおすすめします。
買取店検索や査定依頼は下記公式サイトより可能です。
最後に
総支払額の安さのみならず「初期費用が掛からない」とか「手続きがラク」というメリットを理由にカーリースの需要が増えてきています。
月額定額のサービスは業界問わず右肩上がりで増加しており、カーリースの利用者も引き続き増加すると見込まれています。
「クルカ」は従来の長期間リースではなく、3年以内という短期間に絞り、非常に安価な値段設定とすることで、新たな顧客層をターゲットとし、利用者獲得を見込んでいます。
「所有する」から「利用する」へとユーザーのニーズが変わってきている近年において、契約期間は短いほどニーズに合致します。
車の乗り換えや新規での購入を考えている方は、検討してみてはどうでしょうか。