2018年2月の都内での新車登録台数は前年同月比で8.4%減となり、11か月連続で前年を下回ったとのことです。
メーカー別では、無資格検査問題の影響で日産やスバルが大きく数字を落としています。
一方で、輸入車の新車登録台数は増加しており好調を維持しています。
新車、中古車の登録台数推移とオートオークションの価格推移を見ながら、2018年の中古車市場の動向を探っていきます。
普通車の新車販売は苦戦が続く
2018年に入り2か月が経過しましたが、1月、2月と前年比で普通車の新車販売台数が減少しています。特に小型車は1、2月の合計で前年比91.5%と大きく割り込んでいます。
小型車は前年の販売が好調であった反動とコンパクトカーのヒット車がない影響で、数字が落ち込んでいます。
※日本自動車販売連合会より 単位(千台)
普通車の苦戦は、無資格検査問題の影響で日産(前年比93%)とスバル(前年比77%)の販売台数が落ち込んだことが一因と考えられます。
一方で、軽自動車の新車販売台数は前年比で増加しています。2017年の軽自動車は自動車税の増税とコンパクトカーの好調により販売苦戦していましたが、徐々に盛り返してきています。
※日本自動車販売連合会より 単位(千台)
中古車の登録台数はほぼ横ばいだが輸入車は好調!
2017年の中古車の登録台数は376万台(前年比102.6%)とほぼ横ばいです。ただし、普通車はほぼ横ばいに対し、小型車(普通車)は前年比95.5%と減少しています。
小型車の減少は新車軽自動車の復調が影響しています。
一方、輸入車の中古車登録台数は下記表のように増加傾向にあります。2017年の登録台数は前年より約3万台増加しており好調です。
※日本自動車輸入組合調べ 単位(万台)
輸入車は新車販売も好調
国産の新車販売が苦戦する中で、輸入車は中古車のみでなく新車販売も好調です。中でも「ジープ」「プジョー」「ルノー」が好調です。また、ベンツやBMWの上級グレードの高額車両も好調であり、景気回復の影響で富裕者層の消費が活発になっていると思われます。
輸入車の新車販売が好調なため、中古車の販売好調傾向も今後もしばらく続くと思われます。
オートオークションの単価は年々上昇
中古車オークションの最大手ユー・エス・エスによると、オークションでの成約単価は年々上昇しています。直近の平成30年2月の成約単価平均でも72.1万円と前年の67.8万円から増加しています。
2015年の成約単価は62.9万円だったため、ここ2~3年で約10万円も単価が上がっています。
高額車両の販売が好調なことから、オークションでの成約単価の上昇傾向は今後も続くと思われます。
2018年の中古車市場動向
2018年は普通車の新車販売苦戦に伴い、中古車市場で小型車の相場が下落していくと思われます。一方で、高額車両の取引は活発化し相場が維持すると思われます。
一昨年に新車販売が激減した軽自動車は、昨年より徐々に盛り返してきており相場の大幅な下落はなさそうです。
景気の回復を背景に、価格が安いという基準よりも、品質や個性といった基準がより重視して車が選ばれることにより、車の売買単価も引き続き上昇していくと思われます。
よって、個性的で人気のある車種は相場が高値を維持し、逆に人気のない車種は相場が下落していくという2極化が進んでいくと推測されます。