イギリスの国民投票でユーロ離脱派が勝利したことにより、国内では円高が一層進んでいます。このような急激な円高は中古車市場に影響を与えているのでしょうか。
また、上期の自動車販売状況から下期の中古車市場動向はどう予測されるのでしょうか。本日は最新の中古車登録状況などを踏まえながら、2016年下期の中古車市場動向について考察していきます。
イギリスの国民投票でユーロ離脱派が勝利したことにより、世界経済の一層の不透明化が懸念されており、国内の円高も一層進んでいます。中古車輸出業者では得られるはずの利益が圧縮され、深刻な声も聞こえています。この急な円高は中古車業界に影響を与えているのでしょうか。
オークション相場への円高の影響は軽微
実際に中古車オークションに出入りしている関係者の方々に聞くと、中古車の買取相場には影響はあまりないとのことです。円高の影響があるのは海外からのバックオーダーが入る一部の車種のみであり、国内で再販される一般車にはほとんど影響がないようです。
急激な円高は一時的だという見方が多いようで、現在のところ中古車オークションでの相場にも影響は少ないようです。円高が長続きするようであれば、新車輸入車の価格が下がり、中古車市場での輸入車の価格が下がることが予想されます。
新車販売台数は減少が続くが中古車販売は横ばい
日本自動車販売協会連合会によると2016年上期(1~6月)の中古車登録台数は、前年同期比0.3%増とのことです。上半期としては4年ぶりの増加ということですが、台数は過去3番目の低い水準です。
一方で新車の2016年上期販売台数は4.8%減ということです。新車が売れないと、ゆくゆくは中古車の買取が減少しますので、中古車市場の総台数は減少すると見込まれます。
中古車市場は供給過剰の恐れ
ガリバーインターナショナルの調べでは2016年6月の中古軽自動車の販売価格は約86万円と、5年前に比べて約5万円下がったとのことです。中古軽自動車の値段は下がりにくいと言われてきた業界の中で、この単価の減少は供給過剰の側面があると言われています。
新車販売の減少から、中古車市場の供給過多が進めば、中古車市場全体の価格低下が予測されます。カーシェアリングやライドシェアリングなどの新しいサービスの普及が進めば、車の販売台数は一層の減少が予想されます。
輸入車の販売は堅調が継続
日本自動車輸入組合によると輸入車の2016年上期販売は前年同期比0.6%増であり、特に高額輸入車の販売が増加しています。メルセデス・ベンツやBMWが好調を継続しています。富裕層の需要は継続して高く、今後も高額輸入車の市場は、国内中古車市場と倉阿部て好調を維持すると思われます。
最後に
車種によっては価格を維持する、若しくはプレミアがつくようなスポーツカーもありますが、大半の車種では相場の下落は今後も継続すると予想されますので、車の手放しを考えている方や、不要な車を保有されている方は早めの売却をお勧め致します。