トヨタ自動車は新型クラウンとして4つ(クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステート)のボディタイプを発表しました。
クラウンと言えば、トヨタの上級セダンの代表格ですが、近年は年々販売台数が減少しており、2020年の販売台数は2000年の約1/5となっています。
そんな状況を打開すべく今回のフルモデルチェンジで、内外装の刷新を図っています。
今回、4種類のクラウンの中で、最初に発売される「クラウンクロスオーバー」の実車が一般公開され、話題を集めています。
近年は国内外問わず、クロスオーバーの新型車が相次いで発売されており、クラウンもその流れに乗っています。
実車を確認した所見としては、外観の迫力は増したが、内装の質感は今一歩という印象です。
本日は、実車公開された「クラウンクロスオーバー」の現車を確認しつつ、内外装・サイズ・価格等についてみていきます。
デザイン刷新で外観の迫力増
クラウンクロスオーバーは、デザイン刷新とタイヤの外径が大きくなったことで迫力が増しました。
そもそもクロスオーバーとは、セダンとSUVの中間とされ、街乗りでの快適性と利便性を両立しています。
一番の特徴としては、下記サイズ表のように従来のクラウンより全高が約80mm高くなったことで、乗りやすさの向上と車内空間の拡充がなされています。
全幅については、1,840mmとなり、従来より40mm広がっていますが、多くの立体駐車場パレット制限高さ1,550mm、幅1,850mmには収まるサイズとなっています。
営業マンの話では、特に視認性の向上や乗り降りのしやすさには、大きな改良がなされたということで、実際の乗ってみた感じでもたしかに乗り降りしやすく視界も広く感じました。
また、エクステリアのデザイン刷新に加えて、21インチホイールを装着(上級グレード)された実車は迫力十分でした。
リアエクステリアの印象としては、ベンツなどの欧州車に似た印象です。
内装の質感は今一歩
エクステリアの刷新に反して、内装の質感については今一歩という印象です。
センターコンソール部分などにプラスチック素材が多く、従来のクラウンの質感に比べると若干貧祖な印象です。
クラウンクロスオーバーの車両本価格は下記表のように最安価の「X」で435万円~となり、従来のクラウン(ハイブリッド2.5B:489万円)より安価に設定されています。
幅広い顧客層をターゲットとするため、価格を抑えた戦略であり、内装にコストをかけられなかったのかと思われます。
ホイールは「ツライチ」に
クラウンクロスオーバーは、エクステリアを印象付けるホイールにこだわり、見た目と性能を両立させた設計とされています。
車両のリフトアップに伴い、従来よりインチアップし、ホイールをギリギリまで外に出してボディの外端と一致させる「ツライチ」の配置としています。
実車を見ても、足元のホイールがより目立つ印象でした。
グレード「X」、「G」、「G Advanced」 のホイールサイズは19インチとなり、「RS」 や「G Leather Package」 の21インチより小さくなりますが、それでも迫力十分です。
全グレードハイブリッド構成
クラウンクロスオーバーのグレードは「X」、「G」、「RS」で構成されていますが、全グレードハイブリッドエンジンとなっています。
エンジンは2種類で「X」、「G」はノンターボ、「RS」はターボとなっています。
最も安価なグレード「X」の車両本体価格は435万となり、従来のクラウンハイブリッド(グレードB)489万円よりも安価に設定されています。
ハイブリッドの燃費はノンターボモデルで約21km/L(WLTCモード)と従来クラウンの約20kmと同等となっています。
ターボモデルは燃費高出力化に伴い、約15Km/Lとなっています。
KINTO利用も可
クラウンクロスオーバーはトヨタのサブスク「KINTO」での利用も可能となっています。
利用料は月額コミコミ86,240円~となり、安くはない金額ですが、KINTOでは任意保険料が含まれているため、任意保険料によってはローン等で購入するよりも経済的となります。
トヨタの公式サイトでは下記のように購入よりもKINTOのほうが総支払額は安価となっています。
ただし、こちらの例だと「任意保険・メンテナンス」が 3年間で607,800円掛かる想定であるため、任保険の等級が進んでいる場合は保険料が安くなるため、KINTO利用との差が縮まる、もしくは同等となります。
逆に、任意保険料が高くなりやすい「若い方」や「保険等級が低い方」にはKINTO利用のほうがメリットがより大きくなります。
KINTOについて詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
最後に
クラウンクロスオーバーは歴代のクラウンとは一線を画したエクステリアとなっており、一見するとクラウンかどうかわからない印象です。
セダン指向のユーザーには賛否両論あるかと思いますが、近年のSUV人気の高まりの中で、SUV指向のユーザー層には受け入れられそうです。
内装の質感は若干残念な印象ですが、それを補って外装のインパクトは十分です。
トヨタ初のドライブレコーダーを標準装備したグレードもあるなど、トヨタの先進技術も搭載されており、興味がある方は実車を確認してもらえたらと思います。
納期については、一部グレードでは2023年1月以降生産開始となるということで、グレードによっては半年~1年の納期になりそうです。