車を少しでも高く売りたい(買い取ってもらいたい!)と思われていませんか?
買取店やディーラーの買取り(下取り)では「買取(下取)価格は100万円になります!」と言われ、契約をすることがあると思いますが、実は、その金額には車両本体以外の色々な内訳項目が含まれています。
具体的な内訳項目は下記4つです。
② 自賠責保険料未経過分
③ リサイクル預託金
④ 車両本体の消費税
これらの項目は、買い取った買取店やディーラーが再販する時には、車両価格に上乗せされます。
ひとつひとつは大きな金額ではありませんが、合算すると結構バカにならない金額となります。
本日は、車の売却時に知っておきたい車両本体以外の内訳項目とともに、筆者が所有していた車をオートオークションで売却した際の事例を含めて解説してまいります。
車を少しでも高く売るために知るべき買取時の内訳項目4つ
買取店やディーラーでの買取価格には通常下記のような内訳項目が含まれており、全てコミの金額で値段を提示されますが、交渉によって上乗せ(別払い)にしてもらえる場合があります。
前もって把握しておくことで、交渉を優位に進められますので、おさえておきたいポイントです。
① 自動車税未経過分
自動車税の当年度分(翌年3月まで)の残り期間分(未経過分と言います)の金額です。
売却した月により、金額が異なり、主な排気量ごとの売却した月による未経過分の自動車税額は下記表のようになります。
年度の始めの6月や7月で売却した場合は、未経過分の金額が大きくなります。ちなみに、4月・5月は年度の自動車税の支払い前のため、4月に売却する場合は
年額の1か月分、5月に売却する場合は年額の2か月分を支払うことでOKとする買取店がほとんどで、その場合は未経過分は「無し」となります。
※2019年9月までに購入した普通乗用車の例
自動車税の未経過分は抹消登録という登録をすると、所有者に戻ってくる(還付と言います)金額であり、買取店(ディーラー)との交渉により、還付もしくは上乗せしてくれる場合があります。
自動車税の扱われ方については、下記記事にまとめていますので参考にしてください。
②自賠責保険料未経過分
自賠責保険料は車検満了時までの期間分を前回の車検時に支払っているため、売却した月から車検満了時までが未経過分となります。
金額としては、月あたり1,000円弱と大きくはないですが、車検までの期間が長いとそれなりの金額となります。
自動車税と同様に抹消登録という登録をすると、所有者(契約者)に未経過分の自賠責保険料は還付されますので、交渉によっては上乗せもしくは還付の手続きをしてもらえる場合もあります。
③リサイクル預託金
リサイクル預託金とは、新車時に支払いが義務付けられている、廃車時に掛かる費用の前払金(預託金)のことであり、車の所有者が変わる度に引き継がれていきます。
金額は車種によって異なり、10,000円~20,000円前後です。
中古車を購入する際には、リサイクル預託金分は購入者が負担するものであり、買取店がオークション等で販売する場合でも、購入者から車両本体価格とは別で受け取ります。
リサイクル預託金についても、通常は買取金額に含みとされていますが、交渉により上乗せしてもらえる場合もあります。
④車両本体の消費税
売る側としてはあまり意識しませんが、買取金額には車両本体の消費税が含まれています。
よって、買取金額に車両本体分の消費税を上乗せしてもらえるということはありません。
高額な車両となると、消費税分も大きな金額となります。買い取る側もそのことを踏まえて値段を提示してきますが、売り手側もそのことを踏まえて交渉することでより良い条件を引き出せる場合があります。
直近で相場が高騰しているオートオークションで車を実際に売却してみた
直近では、オートオークションでの平均成約車両単価が高騰しています。
国内最大のオートオークション運営「ユー・エス・エス」によると、2024年9月の平均成約車両単価は124万円となり、前年比115.4%となり、下記表のように上昇傾向が続いています。
そのような中、筆者が所有するオデッセイを知り合いの業者を介して「ユー・エス・エス」オークションで売却してみました。
事前に、買取大手ガリバーとネクステージに聞いてみたところ、15年落ち(2009年式)7万キロの車ということで、両社ともオートオークションでの価格は30万円程度であり、買取金額は25万円が限界と言われました。
また、ネット上の簡易相場調査サイト「車買取相場データベース」でも下記のように買取相場は約18万円とのことです。
そのように買取金額は25万円が限界と言われた車(オデッセイ)ですが、「ユー・エス・エス」の横浜会場に出品してもらった結果、下記のように36万円での落札となりました。ちなみに、下記結果にある評価点「4点」というのは、事故歴がなく内外装に大きな問題がない(ちょっとした擦りキズ等はある)レベルを言います。
ここで、オートオークションで36万円で売れたということは、売り手側(買取業者)は出品に関する手数料は取られるものの、上記のような、①自動車税未経過分相当額、③リサイクル預託金、④消費税を別途受け取れるため、下記表のように総額407,350円の受取金額となります。
買取店の1台あたりの利益はおおよそ5万円~10万円弱のため、今回の例で言うと、30万円で買い取っても十分利益が出たということになります。
こちらはあくまでも1例ではありますが、オートオークションでの相場が良い時期は多少高く売れる可能性も見込んで、買取店は相場より上乗せして買い取るケースがあるため、上記のような背景をおさえておいて交渉することで、有利な条件を引き出せます。
買取店の特徴としては、ガリバーやネクステージは自社の販売に強く、高年式や走行距離の少ない車は積極的に高値を提示してきますが、低年式や走行距離の多い(7万キロ程度以上)、自社の販売店に置きづらい車は積極的に値段を提示してきません。
低年式や走行距離の多い車はオートオークションでの売却に強いユーポスやラビットに依頼したほうが良いです。
買取店に査定を依頼する場合は、下記カーセンサーネットを利用すると簡単に買取店を絞り込んで依頼できます。
上記のような買取店複数に依頼することも、1社のみに依頼することも可能です。
最後に
車の買取額には実は色々な項目が含まれており、それらを事前に把握しておくことで交渉を優位に進められます。
自動車税の未経過分やリサイクル預託金の扱いは買取店各社によって対応が異なる場合がありますので、前もって確認することをおすすめします。
また、直近ではオートオークションでの落札価格が高騰しており、買取店は積極的に高値を提示する傾向がありますので、売却を検討している方は早めの行動をおすすめします。