定額の利用料を毎月支払うことでサービスを利用する「サブスクリプションモデル」が業界問わず台頭している中、輸入車メーカー「ボルボ」もサブスクリプションのサービスを開始しました。
スマートフォンのように毎月利用料を払い、一定期間経過したら乗り換えができるというサービスで、サービス名は「スマボ(SMAVO)」と名付けられています。
スマボ(SMAVO)は、新車購入時の諸費用や年次の自動車税が毎月定額の利用料に含まれており、所有するよりも手間が少ないというのが最大の特徴です。
スマボ(SMAVO)のメリットは主に下記3つです。
メリット② 補償やドライブレコーダーがセットされる
メリット③ ボルボの交通傷害保険が付いてくる
一方、月額の料金については際立って安いということはなく、残価設定型ローンで購入した場合のローン支払額と大きく差はありません。
本日は、ボルボのサブスクリプションモデル「スマボ(SMAVO)」のメリットと注意点について、中古車業界に15年所属した筆者がみていきます。
スマボ(SMAVO)の3つのメリット
メリット① 諸費用・自動車税・メンテナンスがコミの毎月定額
スマボの利用形態は、いわゆる「カーリース」と同じであり、購入時の諸費用や毎年発生する自動車税、定期的なメンテナンスを含んだ月額の利用料を支払うことで、ボルボの新車が利用できます。
利用できる車種は、ほぼ全車種(除くV40、V40 Cross Country)であり、3年と5年の契約期間を選択できます。
メンテナンスは新車登録から3年間「ボルボ・サービス・パスポート」が適用されることで、定期的な点検やオイル交換が受けられます。
車を所有する際には、諸費用の支払いや、ローンの契約、自動車税の支払いなど、何かと手間が掛かります。
そのような手間を極力省いてボルボの新車に乗りたいという方に適しています。
補償やドライブレコーダーがセットとなる
スマボでは利用料に下記4つの補償が含まれています。
・補償① タイヤパンク補償
タイヤがパンクした際の修理・交換費用を上限10万円まで補償してくれます。
・補償② ホイール補償
アルミホイールが損傷した際に、修理費用を上限10万円まで補償してくれます。1万円の修理費は利用者が負担する必要があります。
・補償③ ボディ補償
車のボディ、ガラス、エンジングリルなどが損傷した際に、修理費用を上限10万円まで補償してくれます。1万円の修理費は利用者が負担する必要があります。
・補償④ シート補償
車のシートが損傷(破れたなど)した際に、修理費用を上限10万円まで補償してくれます。1万円の修理費は利用者が負担する必要があります。
車を普通に乗っていても、飛び石などでボディやガラスが傷つくことはよくあります。また、駐車時にホイールを擦って傷つけることもよくあるかと思います。
そんな時に自分で直すは意外と費用が高額となるため、補償があるのはありがたいです。
また、上記の補償と合わせて、ドライブレコーダーも付いています。
万が一の事故時における状況証明や、近年問題となっている「あおり運転対策」としても有効です。
メリット③ ボルボの交通傷害保険が付いてくる
スマボの契約期間中は、交通傷害保険が自動付帯され、交通事故による入院、手術、通院の費用を補償してくれます。(入院は最大180万円、通院は最大27万円)
スマボで利用しているボルボ以外での交通事故も補償されます。
この補償は事故の相手方への補償ではないため、任意保険は別途加入する必要がありますが、万が一の事故時に追加で補償を受けられる内容であり、利用者のメリットと言えます。
スマボの(SMAVO)の3つの注意点
注意点① 任意保険は含まれていない
スマボの利用料に任意保険は含まれていません。
スマボの公式サイトを見ると「車にかかる面倒な保険や税金などの手続きをまとめる」と書いてありますが、この保険は自賠責保険料のことであり、任意保険ではないので注意が必要です。
スマボの契約期間中に事故などで車が大きく損傷した場合は、利用者が修理する必要があるため、対人・対物の相手方への補償に加えて、車両保険にも入っておいたほうが良いと思います。
注意点② 走行距離の制限がある
スマボ利用時には走行距離の制限があり、契約終了時に所定の走行距離より超過していると、超過料金が発生するることがあります。
スマボ公式サイトに記載されている基本の利用料は月間走行距離が750キロ(年9,000キロ)で算出されているということで、通勤や通学で利用するため年間2~3万キロ程度走るという方は注意が必要です。
注意点③ 契約期間中の解約は違約金が発生する
スマボの契約形態はリース契約と同じであり、契約期限前に解約する場合は違約金(清算金)が発生します。
契約期間中は利用を続けるのが原則であり、不定期に乗り換えをしたいという方には不向きです。
スマボの利用料は残価設定型ローンで購入した場合の支払額とほぼ同等
スマボの月々の利用料は、残価設定型ローンで購入した時の月々のローン支払額とほぼ同等です。
一例で、ボルボS60 T4 Momentumをスマボで利用した時の利用料と、残価設定型ローン(3年フルローン)で購入した時の月々のローン支払額を比較した表が下記となり、総支払額ではほぼ同等です。
※諸費用はボルボHPより 値引き・3年後残価は概算 ローン金利は1.9%で試算
総支払額がほぼ同等であれば、スマボのほうがローンの契約や年次の自動車税支払などの手間が無く、メリットがあると言えます。
ただし、ボルボでは定期的に購入時のキャンペーンを行っており、特別価格で購入できる場合があります。
キャンペーンの内容は販売会社によっても異なりますが、例えば「レザーシート約50万円相当分がキャンペーンとして付いてくる」といった内容であり、そのような場合は購入のほうが総支払額が安くなります。
実際、ボルボの営業マンの話でも、定期的にオプションサービスや諸費用サービスなどのキャンペーンをやっているため、残価設定型ローンで買うほうが、結果として月々の支払を抑えられる場合があると言っていました。
購入するよりスマボで利用するほうが、手続きの手間が少ない、というメリットがありますが、月々の支払いをとにかく安く抑えたいという場合は、キャンペーンの内容を確認した上で、総支払額を比較したほうが良いです。
SELECT SMAVOは1年リース
3・5年の契約期間となるスマボの他に、1年という短期間リースの「SELECT SMAVO」という利用プランもあります。
「SELECT SMAVO」で利用できる車種は新車ではなく、高年式の低走行車(登録後1年・1万キロいない)となり、月々の支払額は車両本体価格の1.3%で利用できます。
一例で、V40 T3 MomenTum(車両本体価格2,630,000円)であれば、月々34,100円(2,630,000×1.3%)となり手頃な価格で利用できるのがメリットです。
ただし、「SELECT SMAVO」では利用開始時に諸費用などの頭金が必要とのことで、3・5年契約のスマボとは異なりますので注意が必要です。
今乗っている車を高く売りたい場合は「オークション方式の買取サービス」を試してみる
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※セルカHP売却実績より
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ボルボの国内外での販売は絶好調
2019年1月~9月の世界販売実績は過去最高となる50万7,704台(前年同期比 7.4%増)を販売し、日本国内でも1万3,751台(前年同期比9.8%増)と絶好調です。
一昔前まではボルボというと、安全性は高いけれど、四角い地味めなデザインで、ベンツやアウディなどのドイツ車に比べると、人気があまりありませんでした。
それが5年ほど前から外観のデザインが刷新され、世界的なSUVブームの流れもあり、年々人気が高まってきています。
元々評判が良かった安全面に加え、自動運転技術も他社に比べて高く、人気に拍車をかけています。
「リチャージ」という電動の新モデルレンジも投入し、世界的な潮流である電動化への流れにも乗り、今後も人気が継続しそうです。
ボルボへの乗り換えを考えている方は、スマボを選択肢のひとつに加えてみてはどうでしょうか。