
中古車車販売大手「ウィーカーズ」は「ビッグモーター」時代から提供している保証を継続しています。ただし、「ビッグモーター」時代に提供していた10年間という長期間の保証は無くなり、現在は「1年」「3年」「5年」というラインナップとしています。
その中でも、「1年」という短期間の保証に力を入れており、「3年」「5年」という保証は付帯できる車種を限定するなどし、「ビッグモーター」時代のように強く推奨はしなくなっています。
これは、長期保証におけるリスクを軽減するとともに、年式の新しい車はメーカーの保証で対応することで、利益率の向上を目指していると考えられます。
また、コーティングについては「プラチナ」「ダイヤモンド」という2種類を提供してます。コーティングの収益は「ウィーカーズ」にとって重要であり、初回の見積もりには「ダイヤモンド」コーティングが入っています。
本日は、「ウィーカーズ」の保証とコーティングを含めた諸費用について、その内容や価格をみていきます。
ウィーカーズの保証料は1年で約5万円
ウィーカーズは保証期間を「1年」「3年」「5年」とした保証を提供しており、保証部品は最大36機構・343項目が対象なり業界最高水準となっています。
「ビッグモーター」時代にウリにしていた10年保証は提供しておらず、店舗の営業マンによると現在は「1年」の保証を推奨しているとのことです。
「1年」の保証料は約5万円(2,500CC SUVクラス)となり、ガリバーやネクステージという大手とは同等ですが、ケーユーなどの保証料が安い他社に比べると高めです。
一例ではありますが、2,500CC SUVクラスでウィーカーズとケーユーの保証料を比較すると下記のようになります。
保証期間 | 1年 |
ウィーカーズ | 49,900円 |
ケーユー | 25,000円 |
ウィーカーズのコーティングは2種類
「ビッグモーター」時代から継続して提供しているコーティングは2種類あり、費用は下記となっています。(2,500CC SUVクラス)車種によって2~3万円程度前後します。
コーティング種類 | コーティング費用 |
プラチナ | 69,900円 |
ダイヤモンド | 89,900円 |
上記2種類の耐久性能としては「ダイヤモンド」で約3年、「プラチナ」で約1~2年とのことです。
コーティングは「ウィーカーズ」の重要な収益源であり、初回の見積もりにはデフォルトで入っているなどし、必ず勧められます。
「ウィーカーズ」になってからは「ビッグモーター」時代のように、強引な営業は少なくなっているとのことですが、営業マンとしては自らの実績になるため、積極的に勧められます。不要な場合はしっかりと断る必要があります。
ウィーカーズの実際の見積もりから諸費用明細を検証
ウィーカーズの諸費用の各項目内容とともに他社と比べて高いか安いかを見ていきます。
◆ウィーカーズの主な諸費用
① 登録・届出費用 39,800円
購入する車の名義を購入者の名義に変更する費用となります。他社では名義変更手数料とか登録手続代行費用とも言います。具体的な作業内容としては、旧所有者と購入者の書類を陸運局に持ち込んで名義変更を行う手続きとなります。
こちらの費用は他社ではだいたい25,000円~30,000円のところが多いため、若干高めです。
② 希望ナンバー 12,900円
購入する車のナンバーを希望する番号に変更する費用です。他社では希望ナンバー変更費用とも言います。他社ではだいたい10,000円~15,000円程度であり、他社とそれほど変わりません。
ウィーカーズの保証(WE!保証)に加入する場合は8,000円にれます。
③ 車庫証明費用 19,800円
登録に必ず必要になる車庫証明をビッグモーターに代理で取得してもらう費用となります。具体的な作業内容としては、車庫証明書類作成および住所地の警察署への書類提出と受取という内容になります。
車庫証明の取得は購入者自身で行うこともでき、その場合はこちらの費用は発生しません。(印紙代実費2,600円前後のみとなります)
他社ではだいたい10,000円~15,000円のため、ウィーカーズでは若干高めです。
車庫証明の取得を自身で行う方法は下記記事にまとめていますので、参考にしてみてください。
④ 指定場所納車費用 22,000円
自宅などの指定場に納車する費用となります。購入した店まで取りにいく場合は発生しません。
他社ではだいたい10,000円~15,000円のため、ウィーカーズでは若干高めです。
⑤ 下取諸費用
車の乗り換え時に、それまで乗っていた車を下取りに出す場合の費用です。他社では下取引取料とか下取手数料とも言います。
今回の例では、下取り無の想定であるため費用は掛かっていませんが、下取りがある場合は約20,000円発生するとのことです。
他社でも同様の金額ですが、こちらの費用は交渉により減額もしくは削除してもらうことが可能です。
⑥店舗間運搬費用 25,300円
訪問した店舗以外の店舗にある車を購入する場合の費用です。例えば、大阪の在庫を購入する場合は、大阪から関東まで陸送する費用となります。単純に陸送費用と言うところもあります。
上記の見積もりは関東圏内の運搬費用と言うことで、遠隔地になるほど費用が増加します。
他社では関東圏内であれば、15,000円~20,000円のため、ウィーカーズの店舗間運搬費用は若干高めです。
⑦整備費用(安心ケアパック)
ウィーカーズの店頭プライス(乗り出し価格)には点検費用は入っているものの、整備費用は入っていません。そのため、しっかりとした整備を行ってもらうには「安心ケアパック」というサービスに加入する必要があります。
安心ケアパック費用は車種によって異なり、2,500CCクラスのSUV車では59,900円となります。他社では「納車整備費用」という項目と同じです。
他社での「納車整備費用」は、30,000円~50,000円のため、ウィーカーズの整備費用は若干高めです。
ちなみに、ウィーカーズの有償保証を付けるには、こちらの「安心ケアパック」に加入する必要があります。
他社と諸費用が変わらない項目
どこの中古車販売店でも費用が変わらない項目があります。具体的には下記のように税金や未経過分の自動車税や自賠責保険料となります。
・預かり法定費用
自動車税、重量税、取得税、自賠責保険料、登録検査料、車庫証明印紙代、ナンバープレート代・リサイクル預託済金額
・自動車税未経過相当額、自賠責未経過相当額
中古車買取は「ネクステージ」が好調
乗り換えを考えている場合は、「ウィーカーズ」でも積極的に下取り(買取)を実施していますが、少しでも高く売るためには複数の買取店を比較したほうが良いです。
直近では、自社での販売が好調な「ネクステージ」が在庫確保のために高値を提示することが多いです。「ネクステージ」の買取台数は下記グラフのように右肩上がりで、直近(2024年11月期)の年間買取台数は25.4万台と国内トップです。
◆ネクステージの年間買取台数の推移グラフ
自社で販売向きの年式が新しいとか、走行距離が少ないという車は特に高く買い取ります。
一方、販売店向きでない低年式や走行距離が多い車は積極的に値段を提示してこないため、その場合は「ユーポス」や「ラビット」を含めて比較したほうが良いです。
複数買取店に査定依頼する際は、下記リクルート社が運営するカーセンサーネットを利用すると、簡単に絞り込んで依頼することができます。
複数買取店を比較するのは面倒だし、営業電話が多くかかってくるのも避けたいという場合は、下記公式サイトより「ネクステージ」1社に依頼することも可能です。
最後に
「ウィーカーズ」の諸費用は「ビッグモーター」時代から料金体系など一部の変更はあるものの、そこまで大きくは変わっていません。
「ウィーカーズ」の戦略としては、最低限の点検を無料とし、整備費用を乗り出し価格(店頭価格)から外すことで、店頭価格を安価にして集客するというものです。
また、タイヤの山の残り(溝)が4mm以下のものは無料で新品にして納車するという、ビッグモーター時代には無かった施策を行い、クリーンさをアピールしています。
ただ、ウィーカーズでの保証を付けるには有償の整備費用「安心ケアパック」に加入する必要があったり、コーティングの付帯を原則として推奨されるなど、付帯サービスの営業は「ビッグモーター」時代と同様に積極的になされています。
ですので、不要なものはきちんと断る必要があります。
上記のように諸費用の項目は任意のものが多くあるため、極力支払総額を抑えたいという場合は、各項目について削除や減額の交渉を行うことで、少なくない金額の削減になると思います。