車の買い替えや引越に伴う住所変更時には車庫証明を必ず取得しなければならないのでしょうか?
結論から言うと、普通車を購入した際は登録時に必要なため必ず取得しなければなりません。一方で、車を売却する時には不要であり、特にすることはありません。
また、住所変更時には新しい車庫の申請が義務付けられていますが、現実にはほとんど対応されていません。
車庫証明は個人でも簡単に申請、取得ができます。業者に頼むと手数料が12,000~20,000円程度掛かるため、費用を節約したい場合は自分で行うことをおすすめします。
本日は車庫証明の必要となる場面と、申請書類の書き方について中古車業界に15年所属した筆者が解説します。
車庫証明とは
車庫証明とは自動車保管場所証明書といい、車を保管する場所(駐車場)を管轄の警察署が証明する書面です。普通車の登録時には必ず必要となります。
一方で、軽自動車の登録時には不要です。そのため、軽自動車の場合は登録後や納車後に車庫証明を申請しても大丈夫です。
車庫証明は車を新たに所有する際に管轄警察署に申請が必要ですが、一部地方では申請が不要な地域もあります。必要か不要かわからない場合は、住んでいる地域の最寄り警察署に尋ねるとすぐに教えてくれます。
車庫証明はどこで取れるか
車庫証明は管轄の警察署で取得できます。管轄の警察署がわからない時は、近くの警察署に連絡して住所を伝えるとすぐに教えてもらえます。
車庫証明申請時の注意事項
1.駐車場は自宅から2キロ以内
保管場所として認められる駐車場は自宅から直線距離で2キロ以内に位置する場所です。転勤や法人の支店などで、所有者の現住所と車を使う場所が離れている時は、車の使用の本拠の位置を転勤先や支店の住所にすることで、現住所から2キロ以上離れていても申請できます。
その場合は、車の使用の本拠の位置に居住している若しくは支店が存在するという証明書を提出する必要があります。管轄警察署によって若干異なりますが、住所記載のある水道料金の領収書などで対応できます。
2.明らかに車両が止められない保管場所はNG
車庫証明の申請をすると、警察の担当者が実際に車両を保管できるかどうか確認しにきます。そのため、明らかに車両が止められない狭い場所では申請が下りません。
車庫証明の書き方
車庫証明の申請書類は、駐車場が自分の所有地か、借りている土地(月極駐車場など)かで変わってきます。賃貸住宅で敷地内に駐車場がある場合は借りている駐車場と同じ扱いとなります。
必要な書類は下記となります。
自分の所有地 | 借りている駐車場 | |
自動車保管場所証明申請書 | 〇 | 〇 |
自認書 | 〇 | |
保管場所使用承諾証明書 | 〇 | |
所在図・配置図 | 〇 | 〇 |
それぞれの書類を書き方を記載します。
自動車保管場所証明申請書
申請書は複写になっており、販売店で無料でもらえます。警察署でも無料でもらえます。
①車検証を見ながら車名・型式・車台番号・自動車の大きさを記入します。車名は車種名ではなく、メーカー名となります。
②自動車の使用の本拠の位置に現住所を記入します。現住所と使用の本拠の位置が異なる場合は、使用の本拠の位置(転勤先や支店等)を記入します。その際は、使用の本拠の位置を証明する書面(水道料金の領収書等)が必要になります。
③自動車の保管場所の位置に駐車場の住所を記入します。自宅と駐車場が同じ場所の場合は、自宅住所を記入します。
※保管場所表彰番号は記載不要です。
④申請者の欄に現住所(印鑑証明書の住所)と署名を記入します。日付は警察署に提出する日を記入します。
⑤車を買い替える場合は、代替を選択し、今の車の登録番号(ナンバー)を記入します。
⑥保管場所の所有者を選択します。自分の所有地であれば【自己】を、月極駐車場や賃貸住宅の敷地内に駐車場がある時は【他人】を選択します。
⑦提出者と連絡が取れる携帯等の連絡先を記入します。
自認書
駐車場が自分の所有地の場合に記入します。自分の名前と捺印(認印)を記入します。土地の権利書などの証明書は特に不要です。当然ですが虚偽記載はNGです。
↑こちらをダウンロードして使用できます
保管場所使用承諾証明書
①保管場所の位置に駐車場の住所を記入します。
②使用者(利用する申請者)の住所・氏名を記入します。
③使用の期間は、駐車場の契約期間を記載します。使用期間の開始日以降でないと車検証の登録ができません。契約期間が無いようであれば、申請日以前の任意の日付から申請する日をまたいで1年間程度で問題ありません。
④マンションであれば管理会社に記入・捺印(社印)を記入します。土地所有者個人から借りている場合は、その個人の記入・捺印(認印)を記入します。
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保管場所の所在図・配置図
駐車場の所在・配置を記載します。この図を基に警察署の担当が駐車場を調査します。
左側の所在図は、ネット上(GoogleMap等)の自宅周辺の地図を印刷したものを添付すればOKです。マップルなどの地図をコピーしても可です。そこに自宅と駐車場がわかるように印を付けます。自宅と駐車場が離れている場合は、その間を直線で結びおおよその距離を記入します。
右側の配置図は駐車場のどの部分が借りている場所(NO2)かわかるように記載します。上記の図のように駐車場の寸法と道路の幅を大まかに記載します。マンションなどの駐車場は管理会社が出してくれる駐車場の位置図でOKです。
自宅の駐車場の場合は、自宅敷地内のどこに駐車場があるのかわかるように記載します。
所在図・配置図とも手書きでも問題ありません。
↑こちらをダウンロードして使用できます
車庫証明の提出方法
住んでいる管轄の警察署の車庫証明受付窓口に提出します。警察署に車庫証明の申請で訪れる人の数は非常に多いため、どこの警察署でも入口のすぐ近くに受付があります。
車庫証明の取得手数料は
都道府県によって若干異なりますが、普通車であれば2,500円~2,700円前後、軽自動車であれば500円~600円前後です。主要な都道府県の料金は下記のとおりです。
普通車 | 軽自動車 | |
北海道 | 2,750円 | 550円 |
宮城県 | 2,600円 | 500円 |
東京都 | 2,600円 | 500円 |
愛知県 | 2,700円 | 500円 |
大阪府 | 2,700円 | 500円 |
福岡県 | 2,750円 | 550円 |
車庫証明書は平日中2日で出来上がり
都道府県によって若干異なりますが普通車の車庫証明は、ほとんどの地域で平日中2日で出来上がります。月曜日に提出すると木曜日に受け取れる所が多いです。
軽自動車の場合は、即日か翌日に出来上がります。
車庫証明の有効期間は1カ月
車庫証明の有効期間は取得後1か月間です。車庫証明を取得してから1ヶ月以内に陸運局で名義の登録をする必要があります。
有効期間を過ぎると効力が無くなるため、取り直しとなります。
車庫証明の代行手数料は
販売店で車庫証明の申請を代行してもらうことができます。書庫証明の記入から警察署への提出を代行してくれます。その際は、署名捺印するのみでOKです。代行手数料は12,000円~20,000円前後です。
販売店で購入する時は、車庫証明の代行をすすめられます。なぜなら、代行することで販売店側の利益になるためです。上記のように自分で行うことも可能なため、平日に警察に2回行ける方は自分で行うことをおすすめします。その場合は申請時の手数料のみの費用となります。
引っ越し時の車庫証明申請は必須なのか?
住所変更があった場合には、車検証の記載変更を15日以内に変更の対応をしなければならないと法律上定められています。そのため車庫証明も新しく申請する必要があります。しかし、ほとんどの人は対応していません。
なぜなら、陸運局や警察のチェック機能がないからです。販売店でも“引っ越しの際は、すぐに車庫証明を取り直し、車検証の変更をしてください“と伝えることはほぼなく、ユーザー側も認識が非常に薄いです。
車検や点検時にも注意されることも無く、購入時の登録後に車庫を確認されることはまずありません。
ただし、住所変更を行わないと「自動車税の納付書が届かない」とか「リコールの案内が届かない」などの不都合が生じます。
陸運局での手続きは個人でもできますので、時間に余裕がある方は対応したほうが良いです。
住所変更時の登録方法については、下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
車庫証明のステッカーは必ず貼る必要があるか
車庫証明を取得すると、保管場所表標章というステッカー(シール)をもらえます。これは“車の後面ガラスの見えやすい位置に貼らなければならない”と義務付けられています。
しかし、見栄えの問題などから貼っていない人も多いです。貼っていないことに対する罰則が規定されておらず、車内に保管しているだけというケースも多いです。注意を受けることもまずありません。
車の売却時に車庫証明は不要
車を売る時には車庫証明の手続きは不要です。車を売るからといって車庫証明の抹消手続きなどはありません。下取に出すときも同じです。
車を買い替える時は新しい車で車庫証明の申請を改めて行います。同じ駐車場を利用する時でも再度申請が必要となります。
最後に
車庫証明の手続きは個人でも簡単にできます。個人売買や家族間で車を譲る場合などは当事者間で行う必要があります。記載に多少誤りがあっても、警察署の窓口での修正で済むことがほとんどですので、時間がある方はご自身で対応してみてはいかがでしょうか。
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