車を廃車にする理由はどのようなものがあるのでしょうか?
・車が古い上に、不要である。
・車が動かなくて、放置している。
・車検が切れている。
・車の所有者が亡くなってしまった。
など人によって廃車にする理由は様々ですが、廃車手続きや動かない車を移動するのは個人では難しいですので、業者に頼むのが一番です。しかも廃車にすると業者からお金がもらえます。
動かない古い車がどうしてお金になるのでしょうか?しかも手続きまで代行してもらっているのに不思議に思いませんか?実は業者にとって廃車はお金になるからです。業者に足元をみられないためにも、本日解説する各項目を押さえておきましょう。
また廃車にすると、車両の買取金額と還付金等で10万円程になるケースがありますので、還付金等についてもケース毎にしっかりおさえておきましょう。
本日は廃車にする際の手続きや還付金について、中古車業界に15年所属した筆者が解説いたします。
廃車の手続き方法は?必要な書類は?
廃車の手続きを業者に依頼する時の必要書類は、車を売却する時と同じです。廃車の時は抹消登録という登録になります。必要書類は下記となります。
普通車の場合
①車検証(原本)
②印鑑証明書(原本)
所有者の印鑑証明書、取得日3ヶ月以内のもの。印鑑証明書の住所と車検証の住所が異なる場合は住民票等の住所を繋げる書類が必要。
③委任状/譲渡証
業者が用意してくれるフォーマットに実印を捺印する。
④リサイクル券 無い場合は自動車リサイクルシステムHPで発行可能。
軽自動車の場合
①車検証(原本)
②申請依頼書
業者が用意してくれるフォーマットに認印を捺印する。
③免許コピーもしくは住民票
本人確認のための書類。業者によって異なる。
※所有権が付いている場合は所有者(ディーラー、ローン会社)の書類(印鑑証明書・委任状・譲渡証)が必要。
ローンが残っている場合は、ローンを完済しなければなりません。
所有権が付いていてローンが残っている時の書類のそろえ方は下記記事を参考にしてください。
所有者が亡くなっている場合は、通常より追加で書類が必要になります。詳しい必要書類について、下記記事にまとめていますので、参考にしてみてください。
廃車にすれば税金や保険料が戻ってくる!
車を廃車にする場合は、既に納めている税金や保険料が返ってくることがあります。主に返ってくるものは下記の3つです。
(1)自動車税
廃車(抹消登録)した月の翌月から3月までの月割りで税金が還付されます。
9月に廃車(抹消登録)をした場合は、10月~3月までの6ヵ月分、つまり年額の半額が還付されます。(100円未満切り捨て)3月に廃車した場合は、還付がありません。
計算式:自動車税支払額÷12×残存月数
(軽自動車は自動車税の還付がありません)
(2)自動車重量税
自動車重量税は車検の時に支払う税金です。
車を解体した月から車検満了月までの期間分が還付されます。車検残存期間が1ヶ月未満間際で解体した若しくは車検切れの場合は還付がありません。自動車重量税の還付は一般的に業者は行ってくれないため、自ら行う必要があります。
解体日と解体業者からもらえる移動報告番号を確認し、管轄陸運局で手続きを行う必要があります。
計算式:自動車重量税納付額÷24×車検残存月数 (2年車検の場合)
業者によっては手続きを行ってもらえる場合もあります。
(3)自賠責保険料
自賠責保険とは車検の時に加入する強制保険です。
廃車(抹消登録)した月から保険期間満了までの期間分が還付されます。保険期間満了まで1カ月未満の場合は還付がありません。
自賠責保険料の還付は一般的に業者は行ってくれないため、自ら行う必要があります。自賠責保険証明書に記載の保険会社の店舗に自賠責保険証明書(原本)と抹消登録証明書(コピー)を持ち込むと解約できます。郵送でも行えます。
廃車は専門業者が有利!車の買取価格と合わせて10万円超の手取りになることもある
全国には車の廃車を専門で行う業者があります。廃車専門業者は自社でスクラップ工場を持っており、車のボディ(鉄)やエンジンなどパーツ毎に再販をして収益を上げています。
よって、ビッグモーターやガリバーなどの大手買取店では買取できない(価値を付けられない)車も値段を付けて買取りすることが可能です。
しかも、自動車税、重量税、自賠責保険料などの還付金も返してくれます。大手買取店では返してもらえないことがほとんどです。
大手買取店は利益が少ないため、廃車の買取をやりたがりません。
廃車専門業者が車を買取る際は内装、外装の状態など一切関係ありません。どんなに内装が汚くても、外装が傷ついていても買取値段には影響ありません。基本的には動きさえすれば大丈夫です。(動かなくても買取してもらえることもあります)
大排気量の車で車検が残っている場合、下記例のように総額10万円程度の手取りになるケースもあります。
買取価格 | 40,000円 | |
自動車税還付 | 32,200円 | 年額の半額 |
重量税還付 | 16,400円 | 2年分の半額 |
自賠責保険還付 | 12,000円 | 2年分の約半額 |
合計 | 101,600円 |
さらに、任意の自動車保険に加入していて、保険期間が残っている場合には、そちらも還付されます。
任意の自動車保険の返金については、加入している保険会社によりますので、保険会社に問い合わせして手続きを依頼する必要があります。
廃車専門業者が再販するパーツとは
大手買取店では値段の付けられない車も値段を付けて買い取る廃車の専門業者は下記のようなパーツを再販して収益を上げています。
①エンジン
エンジンのみを取り外し、主に海外向けに再販します。日本車のエンジンは丈夫で壊れにくいため、海外から多数引き合いがあります。10万キロ超えたものでも普通に取引きがされています。
②フレーム等のボディ
専用の機材でフレームやボディを加工し、鉄として再販します。鉄は再利用されるため、一定の金額で買取がされます。鉄の相場は変動が大きいため、買取金額も常に変動します。
③ドアや足回りなどのパーツ類
こちらも主に海外向けに再販されます。エンジンと同様、日本車の部品は海外から多数引き合いがあります。
④アルミホイール
アルミホイールが付いていると、それだけで買取金額に加算となることが多いです。1本1,000円程度加算されます。
上記のパーツを主に再販して収益を上げています。極端なことを言うと、ボディの鉄部分とエンジン、タイヤが付いていれば買取可能です。廃車専門業者の買取金額は排気量を基準にして算出されます。
下記の買取金額事例は廃車業者の買取金額概算になります。この買取金額は月毎若しくは季節毎に変動します。理由は鉄の相場に連動するからです。地域によっても差異があります。
クラス | 値段 |
---|---|
軽自動車 | 5,000~10,000円 |
1,000CCクラス | 10,000~20,000円 |
2,000CCクラス | 15,000~25,000円 |
3,000CCクラス | 25,000~35,000円 |
4,000CCクラス | 35,000~45,000円 |
最後に
車本体の値段のみならず、税金などの還付金を考えると大きい金額になることも少なくありません。また、ナビなどの社外品パーツを別途買取金額に加算してくれる業者もあります。
一般の買取業者に全ての費用込でタダ同然に引き取られると、非常に勿体ないと言えます。近年は、廃車業者で上記の還付手続きや名義変更を一手に行ってくれることが多いため、ユーザーの手続き負担も軽いです。
実際に廃車を考えている方は下記カーネクストに査定依頼してみることをおすすめします。全国対応している上に、動かない車の引き取りについても対応可能です。時期ごとにキャンペーンも実施していますので、試してみてはいかがでしょうか。
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