約8年ぶりにフルモデルチェンジした日産「ノート(NOTE)」は、近未来的なデザインやグレードから純ガソリン車を廃止したことで注目を集めています。
新型ノートはモーターのみで走行する「e-POWER」グレードのみの設定となり、従来のガソリン車モデルはありません。
先代モデルでも「e-POWER」グレードが圧倒的に売れていたということですが、「e-POWER」のみ統一したことで、売れ行きに影響するかが気になるところです。
販売価格や新型ノートを実際に試乗した印象を基に、筆者が考える購入に向いている方とそうでない方は大きく下記のような方です。
◆購入に向いている方
・電動車ならでは加速感、静寂性を味わいたい方
・電動車の先進技術を体感したい方
・近未来的なエクステリアが好みの方
◆購入に向いていない方
・支払総額を極力抑えたい方
・燃費の良さを追求したい方
新型ノートの価格設定はベースグレード「S」で205.4万円と競合車種同等グレードのヤリスハイブリッドやフィットハイブリッドに比べて抑えていますが、ヤリスやフィットには標準装備で付いているLEDヘッドライトや車線維持支援システムなどがオプションとなり、それらを加えると支払総額としては高めとなります。
本日は、新型ノートのグレード別の見積もりを確認しながら、購入検討時におさえておきたいポイントをみていきます。
プロパイロット(運転支援システム)を付けると総額は約300万円
新型ノートのグレード構成は「X」218.6万円、「S」202.9万円、「F」205.4万円の3グレードとなっており、プロパイロットをオプションで付けられるのは、上級グレード「X」のみとなっています。
上級グレード「X」に追加される「S」からのアップグレード装備は主に下記です。
・ウィンカー付き電動格納ドアミラー
・シャークフィンアンテナ
・後席リクライニング
・16インチタイヤ
プロパイロットを付けるには、同時に9インチNissanConnectナビ・インテリジェントアラウンドビューモニターを付けなければならず、それらを合わせると約42万円高となります。(ETCを付けると約44万円高)
また、現在はコンパクトカーでも標準装備の車が多い「LEDヘッドランプ」も、ノートでは全グレードにおいて標準で付いておらず、オプションで付けると約10万円高となります。
先進技術を盛り込んだノートの見積もりは下記となります。ディーラーオプションはマット・バイザー・ETCセットアップと最低限としています。
この約300万円という金額は、競合車種であるヤリスハイブリッド(ハイブリッドZ)における同等装備の乗り出し価格約270万円に比べると若干高めです。
各販売店では付帯収益を得ようとメンテナンスパック(約12万円)やコーティング(10~20万円)を勧められるため、それらを付帯するとより高額となります。
最低限の装備品に抑えると約230万円
先進技術であるプロパイロットやNissanConnectナビ、インテリジェントアラウンドビューモニターは不要で、総額を抑えたい場合は、ベースグレード「S」に最低限の装備品を付けた見積もりは下記となり、総額約230万円となります。(外装色は標準色想定)
ヘッドライトはハロゲンとなります。オーディオやディーラーオプションも外すと総額約215万円となります。
販売諸費用についても、納車費用(約1万円)や車庫証明代行費用(約1.7万円)、希望ナンバー代行費用(約6千円)など交渉により削れるものがあるので、交渉することをお勧めします。
新型ノートの魅力は静寂性と加速
競合車種であるヤリスハイブリッドとフィットハイブリッドにも実際に試乗し、「静寂性」「加速」「燃費」「コスパ」の4項目で比較した結果(筆者の主観含む)は下記となります。
新型ノートはフルモデルチェンジに伴い、走行時の静寂性が高まっており、また電動車独特の鋭い加速にも磨きがかかっています。
ハイブリッドと比べると、エンジンの始動回数も少なく、走行時の静寂性はノートに分があると感じます。
燃費はカタログ値(WLTCモード)より、ヤリス35.4Km、ノート28.4km、フィット27.4kmとヤリスが大きくリードしています。
コストパフォーマンスについては、標準で車線追従システムやLEDヘッドライト、アルミホイール、シートヒーターなどが付くフィットに軍配が上がります。
値引きは基本ゼロ
新型ノートは発売されて間もないことから値引きは基本ゼロとのことです。
ただ、ディーラーマンの口ぶりでは、決めてくれるのであれば多少は頑張るとの話でした。できても5~10万円程度の印象です。
ディーラーオプションを多数付けた場合は、販売店の裁量で値引きができるため、交渉次第で値引きを引き出せます。
リセールを考えるなら外装色は黒か真珠白を選択すべき
新型ノートの外装色バリエーションは全13色(グレードにより選べる色が異なる)ですが、リセールを考えると黒(スーパーブラック:標準色追加料金なし)か真珠白(ピュアホワイトパール:特別色38,500円追加)がおすすめです。
黒か真珠白のほうが販売店で再販がしやすく、他の色に比べて高値で取引される確率が高いです。
55,000円追加の特別色であり、展示車両でメインに使用されているビビットブルー/スーパーブラックツートンやオペラモーブスーパーブラックツートン(下記)はリセールを考えると黒や真珠白に劣ります。
※画像は日産HPより
全13色のリセールについて、筆者の経験則と付き合いのある買取業者の話を基にした良し悪しは下記となります。
ざっくりですが、表中の「〇」はリセール時の標準査定からプラス5~10万円、「△」はプラスマイナスゼロ、「×」はマイナス5~10万円となります。
後席中央足元の張り出しは正直気になる
今回のフルモデルチェンジに伴い、バッテリーの排熱ダクトの位置が変更されたことで、後席中央足元に高めの張り出し(出っ張り)ができ、フラットではなくなっています。
こぶし大くらいの張り出しで、中央に座る人はかなり気になりそうです。
後席を利用する頻度が高いという方は注意が必要です。
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最後に
新型ノートはフルモデルチェンジに伴い、エクステリア、内装の大幅刷新のみならず駆動系にも数々の改良が加えられました。
先代で採用されなかったすべてのドライブモードでクリープ走行が可能となったことや、モーターの出力向上、発電時の静寂性の向上が加えられました。
純ガソリンモデルが廃止されたことで一見すると価格帯が高額に感じますが、先進の技術が多く盛り込まれており、最新の電動車の特徴を体感したいという方には検討する価値は大いにあると思います。