中古車買取の車一括査定のメリット・デメリットはどのようなものなのでしょうか?複数の買取店に一括で査定を依頼することで高く売れるというメリットがある一方、実は、しつこい電話が掛かってくるとか競合する中でトラブルになることがあるというデメリットが存在します。
車一括査定を利用する際は、あらかじめメリット・デメリットを認識し、対処方法を把握しておくことで、安全な取引が可能となります。
本日は中古車業界に15年所属した筆者が、車一括査定のメリット、デメリットとともに大手車一括査定の特徴をご紹介します。
車一括査定の仕組みとは
車一括査定は「リクルート」や」「楽天」など、大手企業が運営しており、ユーザーからの一括査定の申し込みがあると提携する買取店にユーザーの情報を流します。
情報を受け取った複数の買取店はユーザーに連絡を取り、査定日程の調整を行います。
車一括査定はユーザーの情報を情報料として買取店から受け取り収益を上げています。そのため、ユーザーの利用料は無料です。ちなみに、買取店の出張査定費用も無料です。
「ネクステージ」や「ガリバー」、「ウィーカーズ」などの大手買取店はほとんどの車一括査定と提携しています。そのため、どこで申し込みをしてもだいたい大手買取店に依頼がいきます。
それぞれの車一括査定によって異なりますが、だいたい5~10社に情報が流れます。依頼する買取店を選択して絞り込める所もあります。
車一括査定の3つのデメリットとは
車一括査定は大手買取店が主に登録しておりサービスとしては安心です。そのため、近年の車売却方法の主流となっています。一方で、競合が激しくユーザーにとってのデメリットも発生しています。
車一括査定のデメリットは大きく下記3つです。
デメリット② 複数買取店が競合する中でトラブルになることがある
デメリット③ 売却を決めなかったとしても定期的に連絡がくる
デメリット①しつこい電話がくる。
車一括査定のサイトで依頼すると、すぐに複数の買取店から電話が掛かってきます。
依頼する買取店数を絞り込めるサイトもありますが、自動的に8~9社に依頼が掛かるサイトもあります。“概算の価格をメールで知りたい“といった軽い気持ちでも、何度も連絡が入り、しつこく査定を勧められます。
デメリット②競合する中でトラブルになることがある。
競合する中で買取店とトラブルになることがあります。よくあるトラブルが買取店による金額の被せあいです。契約した後に、他社から契約金額に上乗せして買取を迫られることもありトラブルになることが多いです。
買取査定は契約するまでは口頭での金額提示のみの場合がほとんどですので、複数買取店と交渉する中で、言った、言わない、のトラブルになることは意外と多いです。
デメリット③売却を決めなかった場合でも、定期的に連絡がくる。
買取の査定を依頼したものの、売却に至らないこともあります。しかし、そのような場合でも、いつかは売却する見込みがあると思われ、買取店から定期的に連絡がくることが多いです。
よくあるタイミングは車検前や自動車税が発生する年度末などです。
気になる車一括査定のデメリットへの対応方法は?
上記のようなデメリットの対応方法はどのようなものがあるのでしょうか。ケース毎に見ていきます。
対応方法①しつこい電話を回避するために、メールでの回答要求を依頼する。
電話を受けるのは面倒!という方は買取査定を依頼する際に、“メールでの回答を希望”と備考欄に記載することをお勧めします。サイトによっては“メールで回答希望”と選択できるサイトもあります。そうすることで、電話連絡ではなくメールでのやり取りのみで対応することができます。
対応方法②買取店間でのトラブルを防止するために1社のみに依頼する。
車一括査定では最大8~10社もの買取店に一括で査定を依頼することができますが、多すぎるためお勧めできません。1社のみの依頼でも大丈夫です。
具体的な買取店はネクステージが良いでしょう。なぜなら、現在最も勢いがあり、大型販売店を業界で最も多く展開しているからです。
また、複数買取店の査定を同時に受けることを勧められることがありますが、おすすめできません。なぜなら、必ずしも高い値段が出ないからです。
同時の査定では1発提示といって入札方式になることが多いですが、買取店が利益を見込めるラインで提示するので必ずしも高い訳ではありません。また、買取店同士で談合される可能性もあります。労力は掛かりますが、1社毎にじっくり話を聞くほうが結果として高い値段が出る確率が高いです。
対応方法③査定の依頼が全て終わったら、情報削除依頼を出す。
査定額がわかって買取店からの連絡が不要になった場合は、速やかに査定を依頼した一括査定サイトに情報の削除依頼を出すことをおすすめめします。
そうすることで、買取店からの連絡を止めることができます。ただし、これは買取店の本部からの連絡を止めるものですので、営業マンの中にはしつこく電話をしてくる人もいます。
車一括査定のメリットはひとつだけ!
車一括査定のメリットは、なんといっても競合することで高く売れることです。
ネットで数分間情報を入力するだけで複数の大手買取店に査定を依頼することができ、自宅まで無料で査定にきてもらえます。
数社比較の上、最も条件の良い所に買取を依頼することができます。
大手買取店ではネクステージが好調
ネクステージは自社の販売が好調なことを背景に、在庫仕入れのための買取も好調です。下記グラフのように買取台数は右肩上がりで伸びており、ガリバーの年間買取台数18.3万台(2024年11月期)を大きく超えて国内トップの買取実績となっています。(ウィーカーズの年間買取台数は非公表)
直近の2024年12月~2025年8月の実績でも買取台数20.7万台(前年比108.4%)と好調を維持し、2025年度(2024年12月~2025年11月)は買取台数27万台を超える勢いです。
◆ネクステージ年間買取台数推移のグラフ
全国各地で買取店の出店も継続しており、今後もしばらくは勢いが継続しそうです。高年式や走行距離が少ないなどの自社の販売店で再販ができる車は特に高値を提示します。
実際に筆者がネクステージに車を売却した所感としては、下記3つがあります。営業のスタイルとしては、「ユーポス」のようなゴリゴリ営業するのではなく、提示する値段に自信を持っているためかスマートな接客の印象でした。
所感① 金額をはっきり提示する
所感② 提示金額が他社より高め
所感③ 契約後の減額がなく安心できる
ネクステージへの査定は下記公式サイトより依頼可能です。
筆者が実際にネクステージに売却した際の詳細は下記記事にまとめていますので、良ければ参考にしてみてください。
車を少しでも高く売るための2つのポイント
車一括査定で車を少しでも高く売るために押さえておきたいのは下記2つのポイントです。
1.内装をキレイにしておく
車の内装をキレイにしておくことは意外と重要です。なぜなら、内装がキレイだと次に販売しやすいと判断されプラス査定となるからです。逆に内装が汚いとマイナス査定となります。
ほとんどの買取店は内装を「A」、「B」、「C」と3段階で評価しますが、最低の「C」となると金額が大きく下がります。車の価格帯にもよりますが、経験則として10~20万円程度も変わってきます。
シートのシミがひどかったり、室内の臭いがキツイと「C」評価となります。そのような場合は極力落としておくことをおすすめします。
市販のシートクリーナーや消臭剤を使用することでも問題ありません。
2.付属品をそろえておく
整備手帳(保証書)や取扱説明書、スペアキーなどの付属品はきちんとそろっていたほうが良いです。付属品の有無は次に販売する時の売りやすさにつながります。
整備手帳(保証書)はたとえ整備記録がほとんど記載無くても大丈夫です。
社外品のパーツを付けている場合は、メーカー純正部品もあったほうが良いです。社外品のアルミホイールや足回りなどのパーツは好みがわかれるため、純正部品があるほうが次に販売しやすくなります。
車の付属品は査定時に必ず確認されるため、自宅などで保管している場合は前もって確認しておくことをおすすめします
最後に
車一括査定はユーザーにとっては非常に便利なシステムです。しかし、簡単に依頼できることで、競合を激しくさせトラブルが多く発生しています。
極力トラブルを防ぎたい方には大手買取店の中で最も勢いのある「ネクステージ」1社に依頼することをおすすめします。近年はネットで概算相場がすぐにわかるため、1社のみの利用でも、足元を見られることもありません。
営業マンとの相性が合わないとか、査定エリア外という場合は、その次に評判が良いガリバー、ユーポス、カーチスを選択することをおすすめします。







