
中国の電気自動車大手「BYD」が、コンパクトEV「ドルフィン」 の車両価格を大幅に値下げしました。
「ドルフィン」のベースグレード(ベースライン)は363万円から299.2万円へ、航続距離が長いロングレンジで407万円から374万円と大きく値段を下げています。国から出るCEV補助金35万円に加え各自治体からの補助金(東京都であれば45万円)を加味すると、ベースラインは実質200万円台前半、ロングレンジは実質300万円台前半となり、国内外の競合車種に比べてかなり安くなっています。
「ドルフィン」と競合となる国産車としては日産「リーフ」がありますが、車両価格は408.1万円~と、「ドルフィン」に比べ100万円以上の価格差があります。元々、競合クラスと比較して、安かった車両価格をさらに下げてきたことは、日本国内での拡販に向けてBYDの本気度がうかがえます。
そんな「ドルフィン」購入検討時のメリットと注意点はそれぞれ下記各3つです。
メリット② 納期が短め
メリット③ ローン金利が安い
一方で、注意点としては下記3つです。
注意点② カラーバリエーションが少ない
注意点③ 値引きはナシ
本日は、BYDの日本展開第2号であるコンパクトEV「ドルフィン」の購入検討時のメリットと注意点を中心にみていきます。
BYDは2023年1月に日本展開第1号「ATTO3(アットスリー)」を投入した後、店舗網を拡大しつつ第2号となるコンパクトEV「ドルフィン」を投入し、シェア拡大に乗り出してきました。
「ドルフィン」はコンパクトボディとしながら、航続距離はベースラインで400キロ、ロングレンジモデルで476キロと、競合クラスで従来に無い長い距離を走れるということが最大の特徴です。
一方、実車を確認した所感では、フロントフェイスがおとなしすぎることと、インパネ周りが国産車に比べて寂しい印象を受けました。内外装の質感やデザインは、国産車と大きく異なり、こちらは好みが分かれそうです。
そんなドルフィンを購入する際のメリットと注意点は下記それぞれ3つとなります。
「ドルフィン」購入検討時のメリット3つ
メリット① 車両価格が安い
2025年4月に大幅に値下げされた「ドルフィン」ベースラインの価格は299.2万円であり、国からのCEV補助金35万円を差し引きくと264.2万円となります。
また、東京都ではさらに45万円の補助金が出るなど、各自治体での補助金を加味すると、実質200万円台前半となり、300~400キロの航続距離を持つ電気自動車としてはかなり安い金額です。
購入時の登録等諸費用は約20万円であり、こちらは国産ディーラーとほぼ同等です。
それ以外に任意で発生するものとしては、ドライブレコーダーやコーティングを付けるとそれぞれ約8万円掛かります。
コーティングはティーラーの大きな収益となるため、強く勧められますが付けなければ売ってくれない訳ではないため、不要な際はしっかりと断った方が良いです。
メリット② 納期が短め
「ドルフィン」の納期は1カ月~1カ月半ということで、国産メーカーに比べると短納期です。
BYDは在庫を多く投入し、極力納期を短くすることに力を入れています。
とにかく早く納車してほしい!という方には適しています。
メリット③ ローン金利が安い(残価設定率は4年後で約40%)
「ドルフィン」をローンで購入する際の金利は1.9%であり、国産車ディーラーの3~4%と比較して安いです。
仮に300万円を4年(48回払い)でローンを組んだ場合、1.9%と3.9%では下記のように支払利息で約12万円も差が出ます。
通常、輸入車販売においては国内正規ディーラー(販売店)の裁量で金利が上下しますが、BYDでは全国一律1.9%で提供しています。
残価設定型や長期間(7年)のローンにも対応しており、4年後の残価設定率は新車販売価格の約40%とのことです。
「ドルフィン」購入検討時の注意点3つ
上記のようなメリットがある一方で、注意点としては下記3つです。
注意点① オプションがほぼない
「ドルフィン」のオプションはほとんどありません。
ドライブレコーダーやETC、コーティングを選択できるくらいです。
国産メーカーのように、多種多様なオプションを選択することはできません。
BYDとしては、販売時の諸費用を極力シンプルにするという狙いがありますが、ちょっとしたインテリアのオプションをつけるとか、自分好みの仕様にできないというのは寂しいです。
注意点② カラーバリエーションが少ない
「ドルフィン(ベースライン)」の外装カラーは、白(サンドホワイト)、グレー(アーバングレー)、ピンク(コーラルピンク)の3色となっています。(ロングレンジモデルはサーフブル×アーバングレーを追加した4色構成)
カラーバリエーションは少なく、人気色であるパールホワイトやブラックの設定はありません。
コストを抑えるためことと、シンプルに販売するという戦略かと思いますが、選択肢が少ないのと、無難なカラーしかないのは残念です。
注意点③ 値引きはナシ
「ドルフィン」は本体価格を抑えていることもあり、値引きはありません。
ドライブレコーダーなどのオプションの値引きもありません。
ワンプライスでわかりやすいという反面、ディーラーとの値引き交渉ができないのは寂しいです。
車両の保証は4年(10万キロまで)、バッテリーの保証は8年(15万キロまで)
「ドルフィン」の車両保証は4年(10万キロまで)となり、国内メーカーの保証と同等の水準となっています。
バッテリーの保証は8年(15万キロまで)となり、日産の8年(16万キロまで)・トヨタの10年(20万キロ)までには若干劣りますが、大きな差が無い内容となっています。
また、4年間の定期的なメンテナンスや車検費用が含まれたメンテナンスパッケージは有償で126,500円にて提供されています。
下取を依頼する場合は複数買取店を比較する
「ドルフィン」を扱うBYDの正規ディーラーは中古車販売大手「ネクステージ」を初めとした地域の大手販売店で構成されています。
そのため、下取(買取)も積極的に行っていますが、より高く売るには複数買取店を比較したほうが良いです。
「ネクステージ」は自社販売店の在庫拡充のため、内外装がキレイなどの販売店向きの車は高値を提示しますが、低年式・走行距離が多いなどの販売店で売れにくい車は積極的に値段を提示してこないため、そのような場合はオークション販売に強い「ユーポス」もしくは「ラビット」を含めたほうが良いです。
直近では、オートオークションでの中古車相場が高騰しており、高く売るためには早めに行動することをおすすめします。
複数買取店を検索、査定依頼する際は「カーセンサーネット」を利用すると買取店を簡単に絞り込んで依頼できます。査定依頼は下記公式サイトから可能です。
最後に
「ドルフィン」は国内でまだ競合が少ないコンパクトEVというカテゴリで、長い航続距離と価格抑えた戦略で、シェア拡大を狙っています。
また、ボディの全高を多くのマンションの立体駐車場高さ制限1,550mmに合わせるなど、日本でのニーズを考慮した仕様にしています。
今回の大幅値下げにより、元々安かった車両価格がさらに安くなり、国内では実績に乏しいメーカーという点を差し引いても、競合車種より優位性は高く、ユーザーメリットはありそうです。
オプションがほぼ無いとか、カラーバリエーションが少ないなど、自分好みの1台にしたいという方には物足りない所もありますが、そこまでこだわりが無く経済的なメリットを重視する方には適しています。