中国の電気自動車メーカー「BYD」が認定中古車制度を構築し、全国52拠点で中古車の販売を開始しました。
海外電気自動車メーカーとして後発の「BYD」は長い航続距離とリーズナブルな価格設定で攻勢をしかけていますが、中古車販売でも他社との差別化を図りシェアを獲得したい狙いです。
「BYD」の新車発売から1年ちょっとしか経過しておらず、現時点では「ATTO3」1車種のみの扱いですが、購入時のメリット・注意点は大きく下記となります。
メリット② 納期が短い
メリット③ 新車登録から5年間保証
メリット④ ローン金利が安い
注意点② 車検が短い
注意点③ タマ数が少ない
本日は、BYDが新たに開始した認定中古車の概要についてみていきます。
BYD認定中古車のメリット4つ
メリット① 諸費用が安く支払総額も安い
ATTO3の中古車の総支払額は新車購入時の総支払額を比べて約100万円ほど安価となっています。
具体的には新車は約480万円(車両本体450万円+諸費用約30万円)に対し、中古車では約380万円(車両本体約370万円+諸費用約10万円)となっています。
現時点の中古車の車両状態としては展示車や試乗車として使っていた車ということで、走行距離が1,000~1万キロ程度と少なく、新車と比較しても大きくは変わりません。そのため、総支払額で100万円程度安いというのはメリットと言えると思います。
ただし、注意点でも記載していますが、中古車は新車購入時の補助金が受けられないため。東京都などの高額の補助金が出る自治体で購入される方と比べると、新車購入と実質負担が大差ない場合もあります。
メリット② 納期が短い
中古車を買うメリットとして納期が短いということがあります。
BYDの新車は国産よりは納期が短めですが、それでも2か月程度かかります。
対して、中古車は約2週間程度と短めであり、納車を急いでいるというユーザーには適しています。
メリット③ 新車登録から5年間保証
中古車で気になるのは車両の保証ですが、BYDの中古車には新車保証4年間に加えて中古車保証として1年間の保証が追加されます。
よって新車登録から5年間は保証が付くということになります。
バッテリーやモーターなどの心臓部は新車と同様に新車登録から8年間または15万キロの保証が付きます。
ロードアシスタントサービスも1年間延長され、新車登録から5年間のサービスが付帯されます。
メリット④ ローン金利が安い
BYDの中古車購入時にローンを組む際の金利は1.9%とかなり安いです。
中古車販売大手の「ガリバー」や「ケーユー」の金利は9%台ですし、一般の中古車販売店で安いところでも5~6%前後が主流です。
1.9%は銀行や信用金庫なみの低金利であり、金利のキックバックでの収益はほぼ見込まないBYDの戦略が見られます。
ローンの契約年数については7年(84回)という長期の契約にも対応しています。
一方で、BYD認定中古車の注意点は下記3つです。
注意点① 補助金が出ない
中古車購入時の最大の注意点は補助金が出ないということです。
中古車なのだから当たり前と言えば当たり前なのですが、車両状態や年式が新車とほとんど変わらない中で、補助金がゼロというのは新車購入時と比較してかなり大きいです。
ATTO3の令和6年度の補助金は、前年より大きく下がって35万円ですが、自治体の補助金は追加で出るところもあります。例えば東京都では45万円さらに東京都の足立区では10万円などと、自治体によっては高額な補助金があるため、その額によっては中古車とほぼ変わらない実質負担額で新車が買えてしまいます。
注意点② 車検が短い
現状で出ている中古車の多くは、ATTO3発売直後に登録した車であり、2023年1月~3月登録となっています。
そのため、車検の期限が2026年1月~3月頃となり、約2年弱と短くなっています。新車の3年後と比較して1年超短くなることは注意しておいたほうが良いです。
注意点③ タマ数が少ない
BYDの中古車は現時点でATTO3が約20台とタマ数が少ないです。ATTO3が発売されてからまだ1年ちょっとしか経っていないので、仕方ないですが価格帯も総額380万~390万とほぼ変わらずバリエーションが少ないです。
今後、コンパクトモデルのドルフィンの中古車も加われば、選択肢が広がりユーザーのメリットも大きくなりそうです。
BYDディーラーでも下取(買取)可能だが高く売るには複数買取店を比較する
BYDの正規ディーラーは地域の有力な中古車販売店が運営を行っており、今乗っている車の下取(買取)も積極的に行っていますが、より高く売るには複数買取店を比較したほうが良いです。
買取店の中では、「ネクステージ」や「ガリバー」が販売好調であり、自社での再販が可能な高年式・走行距離が少ない車は特に高値が提示されます。
一方で、自社での再販が難しい低年式・走行距離が多い車は積極的に値段提示をしてこないため、オークション販売に強い「ユーポス」や「カーセブン」に査定依頼したほうが良いです。
複数買取店に査定依頼する際は、下記「カーセンサーネット」を利用すると近隣の買取店を絞り込んで依頼できます。
査定料や成約料は無料です。
複数買取店を比較するのは面倒、という場合は1回の査定で複数買取店がネット上で競り合う「オークション方式」の買取サービスを利用するという手もあります。
オークション方式の買取サービスを長く手掛ける「ユーカーパック」では全国最大8,000社から入札が見込め、ハマれば驚くほど高く売れる可能性があります。
オークション方式のため、希望する値段まで入札が入らず売買が成立しない場合もありますが、査定料は無料で複数回の入札参加も可能です。
査定依頼は下記公式サイトから可能です。
最後に
BYDは全国各地で拠点網を拡大し、急速に店舗を増やしています。
国が実施する令和6年度のEV補助金では、BYDの補助金が大幅削減されたことで、中古車の値段が安ければそちらの需要が高まる可能性があります。
現時点ではタマ数が少なく、新古車のような状態のものしかなく、新車の補助金を考えるとメリットが薄いですが、年数が経過し、よりバリエーションが増えるとユーザーのメリットも大きくなると思われます。