トヨタの新型クラウン「クラウンスポーツ」が10月6日に新たに販売開始となりました。
2022年に新型クラウンとして発表された4車種(クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステート)のうち、クロスオーバーに続く発売となっています。
クラウンスポーツは新しい形のSUVとして、美しいデザインと楽しい走りを追求したモデルということで、前型よりエクステリアが一新されています。
実車を確認した所感としては、クラウンらしからぬ派手さがあり、どちらかというと欧州車のSUVに近いエクステリアで、従来のクラウンユーザー以外からの支持が見込めそうな印象を持ちました。
本日は、クラウンスポーツの見積もりをレビューするとともに、トヨタのサブスク「KINTO」での利用も開始されたことで、支払総額の比較などを行っていきます。
クラウンスポーツの見積もりレビュー
下記がクラウンスポーツの見積もりとなります。オプションは営業マンから勧められた最低限のものであり、総額は639万円程度となりました。それぞれの項目についてみてきます。
① 車両本体価格 5,900,000円
新型のクラウンスポーツはハイブリッドエンジンの「SPORT Z」1グレード構成となっており、クラウンクロスオーバーの上級グレード「RS」と同等の価格となっています。
正直安くはない金額ですが、ハイブリッドの4WDで、12.3インチディスプレイ・ナビ、室内レザー、各種安全装備が含まれ、近年の車両価格上昇も考慮すると妥当という気もします。
② メーカーオプション(特別色)99,000円
カラーバリエーションは11種類となっており、標準色である「アッシュ(灰)」「ブラック(黒)」「マスタード(黄)」は追加料金なし、他は追加料金となります。
ホワイトパール(真珠白)、エモーショナルレッド(赤)などは追加料金55,000円、ブラック/ホワイトパールなどのツートンカラーは追加料金99,000円となります。
③ 付属品価格(ディーラーオプション) 294,085円
・プレミアムコーティング 143,000円
・テレビキット 44,770円(走行中にテレビ鑑賞できるキット)
・ETCセットアップ 2,750円
・フロアマット 67,100円
・サイドバイザー 36,465円
これらは、任意のものですので不要なものは削れます。市販のものでの代用や他の業者に依頼することも可能です。
④ 税金・保険料 34,990円
自動車税(年間43,500円)の月割りと自賠責保険料(37カ月分)の費用です。
⑤ 販売諸費用等 43,190円
名義登録費用とローンを組む際の費用です。ローンを組まない場合は「クレジット事務手数料(9,900円)」は掛かりません。希望ナンバーとする場合は、別途15,000円程度かかります。
⑥ 預かり法定費用等 21,720円
登録時の印紙代とリサイクル預託金の費用です。
上記の他、ディーラで勧められるものとして、定期的なメンテナンスについての有償パッケージ(10~20万円程度)があります。また、値引きに関しては基本ゼロということで、交渉したとしてもオプションの金額の数%程度となるようです。
残価は3年後で65%と高め
クラウンスポーツを近年主流の残価設定型ローンで購入した場合の残価は3年後で新車本体価格(590万円)の65%(383.5万円)とかなり高めに設定されています。
トヨタとしては、残価を高めに設定して、車検のサイクル(3年)で新しい車種に乗り換えてもらおうという狙いがあります。
そのため、各販売店(ディーラー)でも残価設定型ローンで初期負担を軽くし月々の支払い額の手軽さをウリに勧めてきます。
ただし、いくら残価が高いといっても、安易に残価設定型ローンを組むのはおすすめできません。
残価設定型ローンは据え置いた残価にも金利が発生するため、ローン利息が高額となりやすいです。
見積もりや明細には、月の支払額しか載らず、利息総額は計算しないとわかりません。利息総額は意外高く、上記の見積もり例では約70万円です。
残価設定型ローンを組む場合は、極力頭金をいれるとか、金利が安いところで組むもしくは金利の交渉をしたほうが良く、利息総額もしっかりと確認することをおすすめします。
「KINTO」での利用も開始
クラウンスポーツはトヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」での利用も可能となっています。
月額の利用料は3年契約で104,500円、5年契約で97,240円(初期費用フリープラン選択時)です。
安くはない金額ですが、一例として3年の残価設定型ローンで購入した場合とKINTO利用の総額で比較した場合、下記のように総支払額はほぼ同額となります。
KINTOの利用料には任意保険料が含まれているため、任意保険料が高額となりやすい若い人や保険等級が低い方は、KINTO利用の方が安くなるケースがあります。
KINTOでは、定期的なメンテナンス費用や税金・保険料が含まれているため、総支払額が同等であれば、手間が少ない分KINTO利用のほうがメリットが出ます。
KINTO利用のデメリットとしては、契約満了時には車を返却しなければならないとか、途中解約すると精算金が発生するということがあります。
精算金が不要な「解約金フリープラン」というプランもありますが、初期の申込金として524,620円が発生するため、あまりメリットはありません。
KINTO利用の詳細料金等について下記公式サイトで確認できます
納期は2か月~3カ月
クラウンスポーツの納期は2か月~3カ月となっており。納期としてはだいぶ早くなってきた印象です。
ただし、受注が集中すると納期が大幅に遅れる可能性があるということです。
下取り車がある場合は複数買取店を比較する
近年のトヨタディーラーは下取り(買取)に力を入れています。車で来店すると、とりあえずその車を査定させてほしいと言われるほどです。
営業マンからは下取りも頑張ります!と言われますが、その際は複数買取店も比較したほうが良いです。
自社販売が好調な「ネクステージ」や「ガリバー」では、再販しやすい高年式車や走行距離が少ない車は特に高値を提示します。
一方で、再販しにくい低年式車や走行距離が多い車(だいたい7万キロ超)は積極的に値段を提示してこないため、オークション販売に強い「ユーポス」や「ラビット」を比較したほうが良いです。
買取店に査定依頼する際は、下記「カーセンサーネット」を利用すると、簡単に近隣の買取店を絞り込んで依頼できます。
専門店「THE CROWN」で拡販予定
トヨタはクラウンシリーズの専門店「THE CROWN」(ザ・クラウン)を神奈川と福岡で10月6日に開業し、2023年度中に愛知、24年度中に千葉、東京と計5店舗の開業を予定しており、クラウンシリーズの拡販に注力しています。
クラウンスポーツのサイズはハリアーに近く、エクステリアのデザインも従来のクラウンからは大きくかけ離れ、これがクラウンか?と一見すると思います。
ただ、内装の質感や細部へのこだわりは従来のクラウンを踏襲しており、昨今のSUV人気の高まりも受け、新しい層からの支持も見込めそうです。
クラウンシリーズの残りの「セダン」「エステート」も近いうちに発売開始とのことで、販売価格や販売方法など今後の展開にも注目されそうです。