元ビッグモーターの従業員が立ち上げた中古車販売店「バディカ」が全国各地に出店を続け規模を拡大しています。
直近では、中古車のネット通販を手掛ける「バディカダイレクト」という新会社を設立し、ネット上で中古車購入が完結できる新たなサービスを始めて話題になっています。
「バディカ」は諸費用の内訳や支払総額を明確にするなど、販売時の透明性をウリにして、支持を増やしてきていますが、基本的に行っていることは従来の中古車販売店と変わりません。
購入時の価格が他社に比べて特に安いということもありません。
リアル販売店で在庫を保有し、カーセンサー等に在庫を掲示し集客して販売しています。
そんな「バディカ」の強みと注意点は大きく下記となります。
強み② ローン金利が安い
注意点② 整備はついていない(車検整備は除く)
注意点③ 在庫台数が少ない
本日は、中古車販売・買取「バディカ」の特徴について購入時の強みや注意点を中心にみていきます。
2017年に創業し累計で27,000台の販売実績を記録し、規模を拡大している「バディカ」の強みは大きく下記2つです。
強み① 諸費用が明確で安め
「バディカ」は購入時の諸費用を大手販売店と比較して安めに設定し、また自社サイト上で各項目の金額を明確にしています。
個別項目の費用(名義変更や車庫証明申請代行、希望ナンバー)は他社に比べて安めであり、総額も5~15万円程度と、他社大手の20~30万円と比べると安めです。
近年では、購入時の総額費用を明確にしなければならないというルールから、各社で総額費用を明示していますが、あくまで最低条件での金額であり、保証などのオプション価格はわからないです。
その点、バディカのサイト上では、保証の有無や納車地、車庫証明代行等の項目を選択することで、ユーザー毎の条件により総額が表示されます。
具体的には下記諸費用項目の詳細金額がネット上で確認できます。
他社でここまで細かくネット上で諸費用項目を確認できるところはなく、中古車販売店でありがちな後から費用がふくらむということはありません。
その点が、購入時の安心感を与えユーザー支持の拡大要因のひとつとなっています。
強み② 金利が安い
「バディカ」で購入時にローンを組む際の適用金利は3.9%ということで、他社大手「ガリバー」や「ケーユー」などの9%台と比較すると安いです。
ディーラーで購入する際の金利である4~5%前後と比較しても安めです。
中古車業界ではローン金利を高めに設定して、仕入れ金利との差額で利益を出すのが一般的であるところ、「バディカ」は低金利での提供を明示し、差別化を図っています。
ただ、ローン利用時の月支払額などの詳細はネット上では確認できません。そちら確認できればユーザーに取ってより分かりやすいかとは思います。
一方で、「バディカ」で購入検討時の注意点は下記3つです。
注意点① 購入時の総額は安くはない
「バディカ」で購入する際の支払い総額は、他社大手と比較して大きく安いということはありません。
バディカの在庫は「カーセンサーネット」で掲示されていますが、同等の車両本体価格で比較すると、バディカより安い価格で出している中古車販売店は多くあります。
自社サイトでも価格の安さをウリにしている記載はなく、諸費用金額を明確にするなど販売時のわかりやすさや取引のクリーンさをウリにする戦略です。
注意点② 整備はついていない(車検時整備を除く)
「バディカ」で表示されているデフォルト(初期)の支払総額には納車整備費用は付いていません。
車検が無い(車検が切れている)車の場合は、購入時に車検を取るため車検整備は含まれますが、最低限の整備内容となります。
消耗部品の含めた納車整備を希望する場合は、「らくらくBUDDIICAパック」というオプションに加入する必要があり50,000~100,000円程度の追加費用が発生します。
「らくらくBUDDICAパック」とは、コーティング・指定消耗品交換・6カ月保証・ガソリン満タン納車がセットとなったオプションサービスであり、納車整備(消耗品交換)やコーティングなどのどちらかだけを選ぶということはできなくなっています。
注意点③ 在庫台数が少ない
「バディカ」の在庫台数は直近(2024年5月)で約600台と、他社大手「ネクステージ」や「ガリバー」の数万台と比べるとかなり少ないです。
そのため、希望する車種が在庫にないケースもあります。
販売店での展示台数も各店50~100台程度と小規模のため、より多くの車種やグレードを実際に見てみたいという方は、「ネクステージ」や「ケーユー」などの大型販売店のほうが適しています。
保証料は他社大手と同等
「バディカ」で車購入時の保証は有料であり、車両の排気量や経過年数、保証期間で細かく料金が設定されています。
下記は2,000CC以下乗用車の保証料の一覧であり、軽自動車や2,000CC超、輸入車などの料金はバディカのサイト上で確認できます。
他社で保証料金の詳細をネット上で公開している所は少なく、実際の保証料がいくらになるのかが事前にわかることはユーザー目線と言えます。
バディカの保証料は他社大手の料金とほぼ同等であり、極端に安い(高い)ということはありません。
実際に不具合があった際の対応は全国の提携整備工場で対応してもらえます。
販売店での接客はあまり熱心ではない?
「バディカ」はロードサイドでの販売店も多数展開しており、筆者も実際にいくつかの店舗を訪問してみましたが、対面での接客はあまり熱心では無い様子でした。
平日の昼間に訪れたということもあるかもしれませんが、訪問しても何の挨拶や声掛けも無く、こちらから質問しても回答のみで後は自由に車を見てくださいと言われました。
業者販売やリモート(ネット)での販売に力を入れているためか、対面接客は力を入れてないと感じられ、しつこい営業はされたくないというユーザーには向いているかもしれません。
バディカの買取金額は一発提示
「バディカ」での買取査定時には買取金額を一発提示し、その買取金額は他社と比較して最高値である確率が80%以上あるとのことです(自社サイトより)。
ほとんどの買取店は初めから最高値を出すことはなく、相場の提示から他社の提示状況やユーザーの希望金額を踏まえて、交渉により値段が決まります。
よって、「バディカ」のように初めから一発提示で最高値を出すというのは交渉が不要でわかりやすいという特徴があります。
ただ一方で、買取金額の一発提示というのはユーザーにとってわかりやすい反面、その金額が他社よりも高いのか安いのかということはわかりません。
「バディカ」の一発提示は他社の値段を上回っていることが多いということですが、筆者の経験上、1社がそこまで高確率で高い値段を提示することは無く、少しでも高く売るには他の買取店も比較したほうが良いです。
直近では、「ネクステージ」や「ガリバー」など販売好調な買取店が在庫確保のために高値を提示することも多いです。
複数買取店に査定依頼するには下記リクルート社が運営するカーセンサーネットを利用すると簡単に近隣買取店を絞り込んで依頼することができます。
最後に
「バディカ」は販売価格の透明性と手続きのわかりやすさをウリにユーザーからの支持を広げています。
また、車のネット通販に注力するということで、オンラインで納車まで完結させる取引の増加を目指しています。
ただ、車のネット通販は過去にアマゾンや他社大手でも注力していましたが、なかなか浸透していません。
最大の理由は、車の臭いや内装のへたり具合、細かいキズなどは実際に見ないと(感じないと)わからず、現車を見たいという人が多いからです。
一方で、オンラインで完結する取引が増えてくれば、リアル店舗を持つコストが減ってくるため、車両価格の低下につながる可能性はあります。
「バディカ」の在庫台数は他社大手に比べてまだまだ少なく、ネット通販するにしても選択肢が少ないという懸念点がありますが、今後在庫数が増えて選択肢が広がれば認知度もより高まりそうです。