車買取販売大手「ネクステージ」の買取実績が近年絶好調です。
直近2023年11月期(2022年12月~2023年11月)の買取実績は202,010台と、前年比で約5万台増と急増しています。
ネクステージの買取は、ガリバーやカーチス、カーセブンなどの他社大手に比べて後発ですが、自社での小売り(販売)台数増加に伴って買取台数も大幅に増加しています。
そんなネクステージで、筆者が所有する車(フリード)を実際に買い取ってもらいました。
ネクステージの買取を利用してみた感想としては、大きく下記3つです。
感想② 提示金額が他社より高め
感想③ 契約後の減額がなく安心できる
ネクステージはネット上で販売(購入)時の悪い評判が散見されますが、買取(売却)のほうはあまり見られません。
ネクステージは自社での販売好調により、在庫確保のために良質車は特に高値を提示するということで、顧客満足につなげています。
実際に利用した所感としては、中古車買取店にありがちな強引な買取商談はなく、他社と比較して高めの値段をサラッと提示してくれ、単純に高く売りたいユーザーに適しています。
ただ一方で、ネクステージが強いのは「高年式」や「走行距離が少ない」等の販売店向きの良質車であり、「低年式」や「走行距離が多い」という再販が難しい車には積極的に高値を提示してきません。
そのような場合は、オークション販売に強い「ラビット」や「ユーポス」のほうが高値を提示する可能性が高いです。
本日は、ネクステージの買取を利用した感想とともに、オリコンランキングでの口コミ等について、中古車業界に15年所属した筆者がみていきます。
ネクステージを含む大手買取4社を比較
今回、所有するホンダフリード2017年式を一括査定サイトを利用し4社比較したところ、下記のようにネクステージが185万円と最も高い結果でした。
4社との商談概要を順に記載します。
1社目 ユーポス
はじめに修理歴を聞かれたため、リアバンパーとリアハッチを修理したことがあると申告。すると、リア部分を入念に確認し、結果として130万円の提示。事故歴あるなしには明確に言及していなかったものの、事故歴ありと判断した様子(他3社は事故歴なし)。希望190万と伝えるも、それは無理との回答。4社の中で最も熱心(言い換えれば強引)で、手放し時期までの代車を用意、価格を保証するためと称して即決を迫られる。
2社目 ビッグモーター
明確な値段提示はされず170~180万円位という提示。手放し時期により若干前後するということで、あいまいな提示。決めてくれるなら180万以上でも頑張ります!とこちらも即決してもらいたいという姿勢であった。
3社目 ネクステージ
車を一通り見た後で、提示された金額は180万円。他社の状況を聞かれたため、同じ位ですと回答。残債などを考慮して、190万円希望と伝えると、上司と掛け合った結果、185万円までやりますがそれ以上は無理との回答。もう1社査定予定であったため、とりあえずその場は保留とさせてもらう。
4社目 ガリバー
査定後の値段提示は170~175万円であった。他社がもう少し高く出ていることを伝えると、買取金額としては難しいが、ガリバーフリマに出品すれば190万円で売れる可能性があるとの回答。その後の商談ではとにかくガリバーフリマに出品してほしいと一辺倒。掲載だけでもということでOKしたが、1週間たっても190万円で売れたという結果はこなかったため、ネクステージで売却することを決定。
4社の中で最も積極的に営業してきたのは「ユーポス」であり、とにかく即決してほしいとの姿勢で、価格を保証するためということで書面を交わそうとされました。ゆっくり考えたいという場合は、しっかりと断る必要があります。
ネクステージは4社の中で唯一、行商許可証を最初に提示して査定を始めるなど、丁寧な対応が印象的でした。
ネクステージの買取を利用した感想3つ
感想① 金額をはっきり提示する
通常、買取店では買取金額をはっきりと提示しません。なぜなら、はっきりと提示するとその金額を踏み台として他社と比較されるからです。
ですので、だいたい〇〇万円~〇〇万円です、とか〇〇万円までだったら頑張れます、などの提示方法で、決めてくれるのなら〇〇万円もしくは、いくらなら決めてもらえますか?といった即決ラインの話をされます。
実際、上記のように、ビッグモーターやガリバーが幅をもった提示で即決ラインを探る商談でした。
それに対し、ネクステージでは最初から180万円というはっきりとした金額を提示してきました。
他社競合が激しい中、はっきりとした値段を提示できるのは、それだけ金額に自信を持っていると思われます。
感想② 提示金額が高め
今回、最終的な交渉の結果、ネクステージが185万円となり、最も高額な査定となりました。
ネクステージの営業も言っていましたが、高年式 走行距離が少ないという車は特に高く買い取るということで、この結果につながりました。
ただ一方で、ネクステージは再販しやすい車の買取に注力しており、低年式 走行距離が多いなど再販がしにくい車については、積極的に値段を提示してこないため、どんな車でも提示金額が高いというわけではありません。
また、商談としてはあっさりしているというか淡白であり、交渉して金額を上げたいという人には向かない印象です。
感想③ 契約後の減額がなく安心できる
中古車業界では契約後に買取金額が変更(減額)となるということがあります。
近年は業界団体の指導もあり、契約後の減額は減少傾向にありますが、いまだに散見され、トラブルになることも多いです。
減額のケースで最も多いのは買取時には無事故車ということで契約したものが、実は事故車であったというものです。
これは、ほとんどの場合、査定時の見落としが理由ですが、査定状況や車の構造の複雑化を理由に、減額の交渉ができるという契約になっていることが一般的です。これは買取店の都合に他ならないものです。
メーターの巻き戻しやエンジンに不具合が見つかるなどで減額になるケースもありますが、そちらは少数です。
ビッグモーターでは、そのような減額を防止するために有償の保証を用意しているくらいです。逆に言うと、その保証に入らなければ減額となる可能性があるということです。
ネクステージでは、そのような減額を行わないとパンフレット等で明示しており、契約車両の返品も行わないとのことです。
ネット上でも減額トラブルが散見される中、減額しないというのはユーザーとして安心できます。
ネクステージを含む買取店に査定依頼する際は、下記リクルート社が運営するカーセンサーネットを利用すると買取店を簡単に絞り込んで依頼できます。
ネクステージのオリコン順位は11位!口コミは?
ネクステージの2022年版オリコン順位は下記のように11位です。発祥地の東海地方では4位となっています。
実際に利用してみた所感や知り合いの業者からの評判を踏まえると、もう少し上位かと思われますが、オリコンの調査ではこのような順位となっています。
順位 | 社名 | ポイント |
1位 | オートバックスカーズ | 78.1 |
2位 | アップル | 77.6 |
3位 | カーセブン | 77.0 |
4位 | ユーポス | 75.7 |
5位 | ラビット | 75.3 |
6位 | ホンダ販売店 | 74.3 |
7位 | トヨタ販売店 | 74.0 |
8位 | 日産販売店 | 73.7 |
9位 | ダイハツ販売店 | 73.3 |
10位 | カーチス | 73.0 |
11位 | ネクステージ | 72.6 |
※2022年オリコン車買取会社ランキングより
口コミ:良い点
①5社ほど合い見積もりさせて頂いた中で、一番熱心に、丁寧で色んな話しを聞いたり、聞いて貰ったり、信頼できる担当者で、見積金も最高額を出して頂いた。
②どこよりも査定価格が高かった。また、他の業者のような駆け引きがなくストレスを感じなかった。
③全般的に対応が良かった。また、売却した車の購入者からのコメント等を伝えていただきました。
筆者の見解:買取金額が高かったという口コミが複数あります。自社の販売店で直接販売すると判断した車は特に高い金額を提示するようです。
口コミ:気になる点
①査定がシビア、融通が利かない。やり取りが早くてよかったが、年末年始で企業の営業日がクリスマスくらいまででクルマを利用したい日まで所有出来なかった。
②名義変更後の車検証の写しは開示してくれないと言われた事。他社では、名義変更の証拠として名義変更後の車検証を開示してくれた。
筆者の見解:ネクステージは買取強化を継続していますが、自社の店舗で直接販売しにくい車は積極的に値段を提示しない傾向があります。そのような場合は、他社のほうが高いことが多いです。
複数買取店を比較するメリット
今回、筆者のケースではネクステージが最も高値を提示しましたが、諸条件にもよりネクステージがいつでも他社より高いということはありません。
実際、今回の商談ではビッグモーターの180万円~提示があったため、185万円まで出たと思われます。
一方で、ネクステージは自社の販売店に不向きな車両については積極的に高値を提示してきません。
ネクステージが積極的に高値を提示してこない具体的な例としては、「過走行車」や「低年式車」、「内外装の状態が悪い車」です。
「過走行車」とは概ね10万キロい以上、「低年式車」とは概ね初年度登録から10年以上経過した車を指します。
そのような場合は、再販しづらい買取に強い「ユーポス」や「ラビット」のほうが高く買い取るケースが多いです。
そのこともあり、ネクステージ1社で判断するよりも複数買取店を比較したほうが良いです。
複数買取店に査定を依頼する場合は、下記リクルート社が運営するカーセンサーネットを利用すると大手買取店を簡単に絞り込んで依頼できます。
査定依頼は下記公式サイトから無料で可能です。
ネクステージは良質な輸入車を特に高く買い取る
ネクステージは「ユニバース」という輸入車専門の販売店を全国で展開しており、輸入車の販売に力を入れています。
また、フォルクスワーゲン、ボルボ・アウディ・ジャガー、ランドローバー、マセラティの正規販売代理店となっており、下取りとしての輸入車買取実績も伸びています。
輸入車は国産車に比べて、中古車相場を把握するのが難しいです。
その理由はオートオークションでの売却相場が国産車に比べて読みづらいためです。
高額な輸入車になると、読み方によって50~100万円程度も差が出ることがあります。
オートオークションでの相場が正確に読めないと、オートオークションで売却する一般の買取店では高値が出せません。
なぜなら、高値で買い取ると赤字になる可能性が高いからです。
その点、ネクステージが販売店で直接販売できると判断した輸入車は、自社の販売価格を基準として買取を行うため、オートオークションの相場を基準とする一般の買取店より高値を提示できることとなります。
ネクステージの買取台数は6年前比で約14倍と急増
ネクステージの年間買取台数は下記グラフのように年々右肩上がりで推移しており、6年前は年間14,000台程だったものが直近では20万台と、約14倍と急増しています。
業界内では、ガリバーの買取台数約20万台に並ぶ業界トップ級です。
買取台数急増の背景にはネクステージの大型販売店での販売実績が好調なことがあります。
一般の買取店では買い取った車をオートオークションで売却をしますが、ネクステージは自社の販売店で直接販売することにより、流通コストを削減し、高値買取につなげ買取台数を増やしています。
ネクステージ全国での販売出店攻勢を強めており、販売実績は継続して伸びる見込みです。伴って、販売店での在庫確保に注力しています。
そのため、店舗で直接販売できる人気車種や良質車(走行距離が少ない、内外装がキレイな車)は特に高く買い取ります。
買取店と交渉するのが面倒ならば、オークション方式の買取サービスがおすすめ
車を高く売りたいけど買取店を交渉するのは面倒だし苦手・・という場合は、「オークション方式の買取サービス」を利用するという手もあります。
「オークション方式の買取サービス」とは、ユーザーの車に興味がある全国の買取店がネット上のオークションで競り合うことで高く売れるという新しい買取サービスです。
ユーザーは車の査定を受けた後は、ネット上で開催されるオークションを待つのみということで複数の買取店からの営業電話が掛かってこず、交渉が不要という特徴があります。
オークション方式の買取サービスを展開する「ユーカーパック」では、提携する最大8,000の買取店に積極的な入札を呼び掛けており、ハマれば高く売れるとの声があり徐々に利用者が増えてきています。
自分が設定する最低落札価格以下で売れることはなく、次に販売のしやすい「状態の良い車」は特に高く売れる可能性があります。
オークションの結果、最低落札価格に到達せず、売買が成立しないという場合もありますが、査定料や出品料は無料です。成約時には22,000円の手数料が発生します。
査定は下記公式サイトから依頼できます。
ユーカーパックについて詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
勢いが継続するネクステージ
ネクステージの販売が好調なことを受けて、買取実績も好調です。
ネクステージの2023年11月期の売上は過去最高であり、全国での出店も継続しています。
店舗在庫を確保するために、買取の強化は今後もしばらく継続する見込みです。
直近では中古車相場が上昇してきており、高値売却をするためには早めの行動をおすすめします。
ネクステージの販売に関する詳細は下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。