車を売る時に印鑑証明書は必要なのでしょうか。
結論から言うと、普通車を売る時には印鑑証明書原本が必要となります。
理由としては印鑑証明書が無いと車の名義変更ができないためです。
一方、軽自動車の名義変更には不要なため、軽自動車を売る時には印鑑証明が不要な場合が多いです。ただし、買取店によっては、身分確認のために印鑑証明書を必要とする場合もあり、買取店によって対応が異なります。
また、自動車税の還付委任状に印鑑証明書原本が必要なことがあり、その場合は名義変更用と合わせて2枚必要となります。
本日は、印鑑証明書がなぜ必要かということともに、複数枚必要となるケースや印鑑証明書が取れない時の対応について、中古車業界に15年所属した筆者が解説します。
印鑑証明書とは
印鑑証明書とは書類に押された印鑑が本人の実印であることを証明する書面であり、本人の実印や氏名、住所、生年月日が記載されています。
実印とは役所に登録されている特定の印鑑のことで、書面に押された印鑑が本人のものである証明として印鑑証明書が用いられます。
実印の登録(印鑑登録といいます)をしていない場合は、住んでいる市区町村役場で登録する必要があります。
使用する印鑑はどんなもの(100円ショップの印鑑でも可)でもよく、即日登録できます。
印鑑証明書の取得は住んでいる市区町村役場や行政サービスコーナーで取得可能であり、発行費用は市区町村により異なりますが300円程度です。
普通車を売る時に印鑑証明は必須
車(普通車)を売る時には印鑑証明書は必ず必要となります。
理由は、車(普通車)の名義変更時には、所有者の委任状・譲渡証の印鑑が実印であるかを証明する書面として印鑑証明書が必須となるからです。
所有権が付いている(車検証上の所有者がディーラーやローン会社)場合は、所有者に名義変更書類(委任状・譲渡証)を出してもらうために、印鑑証明書が必要となります。この手続きは所有権解除手続きと言い、買取店が行ってくれます。
ただし、所有権解除の書類は所有者によって異なり、印鑑証明書ではなく、免許証コピーなどで対応してくれる場合もあります。
軽自動車を売る時は印鑑証明書が不要なことが多い
普通車の名義変更に必須な印鑑証明書ですが、軽自動車の名義変更には不要です。
そのため、軽自動車を売る時には本人確認のための免許証コピーや住民票で対応してもらえる買取店がほとんどです。
ただし、一部買取店では契約書に実印を必須とし、印鑑証明書を必要とするところもあります。
また、軽自動車でも所有権が付いている時は所有権を解除するために印鑑証明書が必要となる場合が多いです。
普通車と同様、所有権先によっては、免許証コピーで対応してもらえることもあります。所有権の解除は売却する買取店で行ってくれるため、印鑑証明が必要かどうかは買取店が調べて教えてくれます。
普通車、軽自動車、また所有権の有無による必要書類については下記記事にまとめていますので、参考にしてください。
印鑑証明書の期限が迫っているものは買取店ではNG
陸運局で有効とされる印鑑証明書は取得から3ヶ月以内のものと決められています。ただし、3ヶ月の有効期間があるからといって、期限がギリギリ(1~2週間しかない)ものは買取店で受け付けてもらえず、新しく取り直して欲しいと言われます。
理由としては、買取店は買い取った車をほとんどの場合オークションに出すため、書類の期限が長い(印鑑証明書の期限が長い)ほうがいいのです。オークションのルールで出品時の翌月末まで書類期限が必要と決められているため、少なくとも売却時から翌月末以降まで有効となる印鑑証明書を求められます。
これは、買取店が買い取ってすぐに買取店の名義にすればよいのですが、そのためには車庫証明を取ったり、買取店の印鑑証明書を取ったりという手間と時間が掛かるため、買い取った時の名義のままでオークションに出すことが通常です。
期限の短い印鑑証明書を既に持っていて、再取得が難しい場合は、買取店にすぐに名義変更してほしい旨を伝えると対応してもらえることもあります。
車検の期限が近い場合は印鑑証明書の期限が迫っていてもOK
車検の期限が近い車は、買取店ですぐに名義変更(抹消登録)をするため、印鑑証明書の期限が迫っていても問題ないことがほとんどです。
印鑑証明書が2枚必要となることがある
普通車の名義変更に必要な印鑑証明書は1枚ですが、自動車税の還付委任状に添付するため、2枚必要となる場合があります。
還付委任状とは、納税者(ユーザー)に返金される自動車税を買取店へ返金させる書類です。具体的には、名義を消す登録(抹消登録といいます)をした場合に、自動車税が納税者に返金されるところを、買取店が受け取るというものです。
自動車税の未経過分(支払い済分)が買取代金に含まれる契約の際に、買取店から還付委任状の提出を求められます。
還付委任状に印鑑証明書原本が必要かどうかは、都道府県によって異なります。
千葉県や神奈川県は印鑑証明書原本が必要ですが、東京都や大阪府のように原本が不要のところもあります。
自動車税の還付委任状に原本が不要な場合は、売る時に必要な印鑑証明書は1通となります。
ほとんどの買取店では、自動車税の未経過分は買取代金に含まれるため、還付委任状が必要となりますが、買取店の中には戻ってくる自動車税を返金してくれる所もあります。その場合は、還付委任状が不要であり、印鑑証明書の追加も不要です。
車検が近い場合は、交渉により税金を戻してくれる場合がが多いです。詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
引っ越し時は都度印鑑登録が必要
引っ越しなどで今住んでいる所で印鑑登録をしていない時は、新たに印鑑登録をする必要があります。実印に登録する印鑑を持って行き、管轄の役所で手続きを行うと即日印鑑証明書が取れるようになります。
引越し前(旧住所)で印鑑証明書を取っている場合でも、今住んでいる所で印鑑登録したほうが良いです。旧住所での登録も可能ですが、自動車税の納付書やリコールの案内が届かないなどの不都合があります。
車の買い替え時にはもう1枚必要
普通車を新たに買う時には印鑑証明書がさらに1枚必要です。なぜなら、新しい車を登録する際に印鑑証明書が必要となるからです。こちらの印鑑証明書は登録予定日までの期限があれば問題なく、期限が長くないのものでも大丈夫です。
ローンで購入し所有者とならない(所有権がつく)場合は、住民票のみで対応してもらえます。
軽自動車への買い替えの場合も、印鑑証明書は不要であり、住民票で対応してもらえます。
実印(印鑑登録をした印鑑)をなくした場合は、再登録が必要
「実印をなくしてしまった」という時は、管轄の役所で再登録の必要があります。その際は、実印に登録する新しい印鑑を持って行く必要があります。
再登録の手数料は無料であり、即日再登録した印鑑での印鑑証明書を取得できます。
住民票を抜いていて印鑑証明書が取れない場合
海外転勤などで住民票を抜いている(除いている)場合は印鑑証明書が取れません。居住している国の大使館・領事館でサイン証明(署名証明)を取ることにより、印鑑証明書の代わりとします。
サイン証明を発行してもらう時は、委任状と譲渡証を大使館・領事館に持ち込み書面にサインをし、そのサインを証明する書面としてサイン証明を発行してもらいます。
所有者が亡くなっていて印鑑証明書が取れない場合
所有者が亡くなっていている時は相続人代表の印鑑証明書が必要になります。
所有者が亡くなっている時の手続きは、通常の手続きより煩雑になります。
詳しい手続き方法は下記記事にまとめていますので参考にしてください。
買取店によって対応は様々
印鑑証明書は普通車の名義変更に必要となりますが、軽自動車の名義変更では不要です。ただし、買取店の契約時によっては印鑑証明書が必要なこともあります。
また、印鑑証明書の期限が短い場合でも対応してくれるかどうかは買取店によって異なります。買取店の契約時のルールは統一されていないため、そのような際は複数の買取店に確認したほうが良いです。
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