
福祉車両(介護車両)を高く売る良い方法はあるのでしょうか?実は、福祉車両は査定する買取店によって査定額に大きな差があります。
その理由は、買取店が査定額の基準とするオートオークションでの福祉車両の落札額に大きく差があるためです。
だいたいの買取店は、落札額に差がある場合、リスクを減らすため安い方の金額を基準とします。そのため、福祉車両の査定額は安いことが多いです。
また、福祉車両は個々に装備が異なっているため、その装備の内容を的確に把握するにはある程度のノウハウが必要で、買取店によっても判断が分かれるところです。
よって、福祉車両は通常の車より買取店の査定額の差が大きいです。
本日は福祉車両を高く売るおすすめな方法と、売る時の注意点について中古車業界に15年所属した筆者が解説します。
福祉車両の特徴と需要
福祉車両とは、体の不自由な方や高齢者が安全かつスムーズに乗り降りや運転ができるよう改造された車両です。新車時からメーカーが製造しているものは「ウェルキャブ車」とも呼ばれます。
主な福祉車両のタイプは以下の5種類です
①助手席回転シート車
②サイドリフトアップシート車
③スロープ付き車椅子対応車
④リフトタイプ車椅子対応車
⑤運転補助装置付き車(アクセルやブレーキの補助装置など)
メーカーもウェルキャブグレードとして新車でのラインナップを拡充しており、主にミニバンやコンパクトカーをベースに改造しています。メーカーとは異なる仕様で、独自に福祉車両の改造を行っている会社もあり、福祉車両の装備は個々によって様々です。
国内では高齢化が進む中、福祉車両の需要は年々高まっており、今後もその傾向は継続すると見られています。
そんな中、中古の福祉車両への需要が高まっています。大きな理由としては【新車よりも納期が短い】、【新車価格と比べて安価である】ことがあげられます。
一昔前までは福祉車両というと、売る時は非常に安くなっていましたが、近年は需要の高まりから高値で取引されることも多くなってきており、買取店によっては高値で買取を行うケースも増えてきています。
オートオークションでの福祉車両の相場は読みづらい
多くの買取店が利用するオートオークションにおいて、福祉車両の相場は読みづらいです。読みづらいというのは落札額に差があり、相場を把握するのが難しいということです。
オートオークションでは一部のバックオーダーを持つ販売店が高値で落札することもあり、落札額の差が出る要因となっています。
相場を把握するのが難しいと、買取店の査定額も高値を出しづらくなります。
また、一般の買取店は福祉車両の価値のある装備に精通しておらず、正確な評価できないということもあります。
一部のバックオーダーを持った販売店が高値で落札することがありますが、一般の販売店(落札業者)はオートオークションで福祉車両をノーマル車(改造していない車)の相場より高く購入することはほとんどありません。
そもそも、福祉車両を目当てとしてオートオークションに参加する販売店が少ないという理由もあります。
福祉車両は新車価格ではノーマル車よりも高いにも関わらず、オートオークションでの相場は安いことが通常です。
福祉車両の買取は専門業者を含めて比較したほうが良い
上記のように福祉車両の相場は読みづらく、買取店の査定額には差が出るケースが多いです。
一方で、国内には福祉車両を専門的に扱う買取店もあります。そのような買取店は福祉車両の仕様に精通しており、販売のノウハウも持っています。
福祉車両に強い買取店のひとつである「福祉のフジ」は自社で福祉車両を販売し、販売のノウハウを買取にも活かすことで、福祉車両の高価買取につなげています。
ただ一方で、福祉車両に強い買取店は規模が小さいです。「福祉のフジ」も自社で福祉車両を販売していますが、在庫台数は50台程度です。他の福祉車両専門店でも在庫は50~100台程度です。
そのため、特定の仕様や装備の車両は高く買い取りすることあるものの、在庫や資金力のからみもあり、いつでも高く買い取れるわけではありません。
よって、福祉車両を売る場合は、専門業者も含めてできる限り複数の買取店を比較したほうが良いです。そのほうが高く売れる確率が高まります。
複数の買取店に査定依頼するには、下記カーセンサーネットを利用すると、大手を含んだの複数の買取店を簡単絞り込んで依頼できます。
福祉車両を専門的に買取する買取店については、下記のような公式サイトから依頼が可能です。
福祉車両を売る時におさえておきたい2つのポイント
1.付属品をそろえておく
福祉車両を売る時に重要となるのが付属品です。なぜなら、付属品がきちんとそろっているほうが次に販売しやすいためです。
リモコンや補助ベルトなどの付属品を確認しておくことをおすすめします。取扱説明書もあったほうが良いです。
また、電動部などの機能に不具合がある場合は、査定時に伝えておいたほうが良いです。福祉車両の不具合は修理に時間を要すことが多く、契約後のトラブルを防ぐためにも事前に申告することをおすすめします。
2.減免での乗り換え時は名義変更が至急必要
福祉車両として自動車税の減免を受けており、次の車も減免の登録をするという場合は、今の車の名義変更が至急必要です。なぜなら、同じ所有者で複数台の減免登録ができないため、次の車の登録時には今の車の名義変更が完了している必要があるためです。
通常、買取店は買い取ってすぐに名義変更をしないため、「名義変更をすぐに完了してほしい」と依頼する必要があります。
減免を受けている車を売る時の注意点は下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
メーカーのウェルキャブグレードは特に需要が高い
福祉車両はメーカーが新車として改造する場合と、ノーマル車を後から改造する場合があります。メーカーが新車時に福祉車両(ウェルキャブグレード)として売り出しているほうが安心感があり需要が高く、高値で取引されやすいです。
一方、ノーマル車を後から改造した場合は、改造した際の内容が詳しく資料があったほうが良いです。
特殊な改造がなされている場合は、次の購入者を限定してしまうため高く売れづらいです。
最後に
福祉車両は利用するユーザーが限られるため、過去には買取が敬遠されることもありました。しかし、近年では需要の高まりと福祉車両の性能向上から中古車市場において高値で取引されるケースも出てきました。
福祉車両が必要となるケースは緊急性が伴うことが多く、その面でも納期が短い中古車のメリットが高くなってきています。
福祉車両の売却を検討される際は、上記のような背景があることを念頭に複数の買取店から見積もりを取ることをおすすめします。