中古車業界大手「ガリバー」が運営する自社ローン専門店「じしゃロン」とはどのような特徴があるのでしょうか?
自社ローンとは金融業の免許を持たない業者が、独自の判断で分割払いを受ける仕組みであり、中古車業界では比較的小規模な企業が特定の地域で展開していました。
そのような中、ガリバーが自社ローン業界に参入し、「じしゃロン」という名称で46店舗(2024年10月現在)を全国各地で展開しています。
そんなガリバーの自社ローン専門店「じしゃロン」で提供される自社ローンのメリットは大きく下記3つです。
メリット② 連帯保証人が不要
メリット③ 車検費用や保証費用もコミ
注意点② 頭金が必要
注意点③ GPS取付や保証付帯が必須
注意点④ 自社ローンが利用できるのはガリバーの在庫の一部
注意点⑤ 所有権が付く
本日は、ガリバーの自社ローンのメリット・注意点を細かくみていきます。
ガリバーの運営する「自社ローン」のメリット3つ
メリット① ガリバーの信用があり、審査通過率は約90%
自社ローンというと、オリコなどの信販会社が提供する自動車ローンに比べ、詳しい内容や仕組みが知られておらず、不安に思う方も多いです。
実際、自社ローンを提供している中古車販売店は小規模な店舗が多く、興味があったとしても利用しづらい雰囲気があります。
また、小規模店舗が運営しているということで、資金繰りのためにローン債権の譲渡が利用者の知らないところで行われて、不安になるという事例も実際にあります。
そのような中、全国規模の大手「ガリバー」が運営しているということで、安心感があるというメリットがあります。
自社ローンの利用にあたっての審査は、現在の収入状況等を基にしたガリバー独自の審査ということで、信販会社のローンより審査が通りやすく、審査通過率は約90%とのことです。
審査から分割払いまでガリバーが一括で行うことで、手続きがスムーズという特徴もあります。
メリット② 連帯保証人は不要
通常、他社での自社ローンは連帯保証人が必須です。
中には、リスクヘッジのために追加で複数の連帯保証人が必要となる場合もあります。
その点、じしゃロンでは保証人が不要です。保証人を立てるというのは、結構面倒なため、保証人が不要で契約ができるというのはユーザーにとってメリットと言えます。
メリット③ 車検費用や保証費用もコミ
じしゃロンの「自社ローン」の契約期間は4年間の定額払いであり、車検時の費用も含めた分割払いとなっています。
具体的には、月々35,000円や40,000円の支払いとなり、車検費用や保証費用(6か月間)が含まれ、リースに近い契約となっています。
車検は購入した店舗で実施できるということで、車検を依頼先を探す手間などはありません。
一方で、じしゃロンにおける自社ローン利用時の注意点は下記5つです。
注意点① 支払総額が高い
自社ローンを提供している販売店は、独自の貸付というリスクを取っており、また金利が取れないこともあり、車両価格を高めにして販売したり、車両価格は安くしているものの手数料を取るなどし、支払総額は高くなっています。
その点は、じしゃロンでも同じであり、現金払いや信販会社が提供する自動車ローンを利用するより、支払総額は高額です。
じしゃロンで「自社ローン」が利用ができる車両価格帯(支払総額)は130~150万円程度ですが、「自社ローン」を利用した場合の支払総額は下記例のように約200万円となります。
「自社ローン」を利用した場合の支払総額には車検費用や保証費用が含まれているものの、それでもローン金利に相当する手数料が約30~40万円程載せられています。
また、車両本体の価格についても高めに設定されています。120~150万円クラスの車でカーセンサーなどに掲載されている他社の同等車種と比較して30~50万円程度高めです。
一例ですが、じしゃロン在庫のルークスハイウェイスターXターボ現金支払総額135万円(平成29年式 走行7.7万キロ)と同等の車をカーセンサーで検索すると90~100万円前後のものが多く、その差は約30~40万円です。(例は◆カージャンボ 89.9万円)※画像はじしゃロンHP、カーセンサーネットより
◆じしゃロン
◆カージャンボ
同様に、じしゃロン在庫のプリウスS LEDエディション現金支払総額130.1万円(平成23年式 9.2万キロ)と同等の車をカーセンサーで検索すると80~90万円前後であり、その差は約40~50万円です。(例は◆ネクステージ 79.9万円)
◆じしゃロン
◆ネクステージ
じしゃロンの在庫はオークションから状態の良いのものを仕入れており、内外装等の車両状態はキレイなものの、車両価格は高めです。
注意点② 頭金が必要
「自社ローン」利用時には5万円もしくは10万円の頭金が必要となります。
他社の自社ローンでは全額ローンOKとしているところもあり、その点は少しハードルがあります。
注意点③ GPS取付や保証付帯が必須
じしゃロンでの「自社ローン」利用時には車へのGPS取付と保証加入が必須となります。
GPS取付は他社でも必須としているところもありますが、常時監視されているようで抵抗のある方もいると思います。
また、保証についても必須となるということで、保証は不要だからその分支払いを減らしてくれということはできません。
注意点④ 自社ローンが利用できるのはガリバーの在庫の一部
ガリバーが自社ローンを運営しているからといって、ガリバーの全ての在庫車両で自社ローンが利用できるわけではありません。
ガリバーの在庫と「じしゃロン」の在庫は分けられており、現状では「じしゃロン」の在庫(約650台)でしか自社ローンは利用できません。
ガリバーの戦略として、130~150万円程度の価格帯に絞り込んで、月々35,000円~40,000円のプランで販売することで、故障リスクや貸し倒れリスクを軽減していると考えられます。
注意点⑤ 所有権が付く
他社の自社ローンも同様ですが、自社ローン利用時には所有権が付きます。
所有権がつくというのは車検証上の所有者がガリバーとなるということで、ユーザー独自では売却できなくなるということです。
自社ローンの契約期間終了後やローンを全額払った場合は所有権を外して、自己名義にできます。
所有権がついているからといって、普段使用するのに支障はありません。
ガリバーでも下取り(買取)可だが高く売るには買取店を比較すべき
今乗っている車を売却し、少しでも費用負担を軽くするには複数の買取店を比較したほうが良いです。
ガリバーでも買取を強化していますが、高値を提示する確率が高いのは自社販売が好調である「ネクステージ」です。
ネクステージの販売店での在庫拡充のため、年式が新しいとか、走行距離が少ないという再販向きの車は特に高く買い取ります。
また直近では、オートオークションでの相場が再高騰しており、良質車は特に高値が提示されます。
一方、販売向きでない低年式や走行距離が多い車は積極的に値段を提示してこないため、そのような場合は「ユーポス」、「ラビット」を含めて比較したほうが良いです。
複数買取店に査定依頼する際は、下記リクルート社が運営するカーセンサーネットを利用すると、簡単に絞り込んで依頼できます。査定料は無料です。
複数買取店を比較するのは面倒だし、営業電話を受けたくないという場合は、近年利用者が増えてきている「オークション方式の買取サービス」という新しいサービスがあります。
「オークション方式の買取サービス」とは、ユーザーの車に興味がある買取店が、ネット上のオークションで競り合うことで、高く売れるという買取サービスです。
1度査定を受けた後は、オークションの開催を待つのみで買取店との交渉が不要です。
「オークション方式の買取サービス」を展開する「ユーカーパック」は全国の提携買取店最大8,000社から入札を受けることができ、ハマれば驚くほど高く売れるという評判があります。
人気車種や状態の良い車は特に高く売れる可能性があります。
出品者が設定する最低落札価格まで入札が入らず、売買が成立しないという場合もありますが、査定料や成約料などの手数料は無料であり、時間に余裕がある方は試してみてはどうでしょうか。
査定は下記公式サイトから依頼できます。
ユーカーパックについて詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
最後に
中古車販売での粗利確保が年々難しくなる中、ガリバーはこれまで大手が参入していなかった「自社ローン」の提供に力を入れ、新たな収益の柱にしたい考えです。
「自社ローン」の仕組みは、一般的にはなじみがなかったものですが、「じしゃロン」の全国各店舗で利用が増えていけば、一般的になる可能性もあります。
「自社ローン」は販売店が独自に審査するということで、手続きが速いとか信販会社のローンに通らない方でも審査に通りやすいというメリットはあります。
支払総額がもっと安くなるとか、より多くの車両が対象となると、利用者が増加する見込みはあるかと思います。