車のローンが残っているのに、車を売却しなければならないケースとしては以下のケースが多いです。
・乗り換えを検討しているため車を売却
・転勤・引っ越しのため車を売却
・家族構成(結婚や出産など)の変化による車の売却
・ローンの支払いが困難なため車の売却
人により車を売却するケースは様々ですが、ローン支払い中の売却となると手続きが大変なイメージがあると思います。結論から言うと難しいことはありません。まず、あなたの所有する車の名義は下記のどちらのパターンにあてはまるかを確認しましょう。
パターン1「車の所有権が自分にある」
パターン2「車の所有権が販売会社もしくはローン会社にある」
このパターンによって売却方法が異なります。パターン1の「車の所有権が自分」であれば、たとえローン残債が残っていても、そのまま売却できます。パターン2の「車の所有権が販売会社もしくはローン会社」であれば、ローン残債を支払う(完済する)必要があります。
本日は、中古車業界で15年の経験がある筆者が、それぞれのパターンの手続きを解説してまいります。
パターン1:車の所有権が自分にある場合
車の所有権が自分にあるというのは、車検証上の所有者が自分であるということです。この場合は、「所有権無し」と言い、通常の売却のケースと手続きは同じです。
銀行や信用金庫等でローンを組んだ場合は、所有権が付かないため、自分の書類のみで売買可能です。
よって、車のローンが残っていても所有権が自分であれば、そのまま売却することが可能です。
厳密にいうと、ローンを組むときは車を担保としてローンを組んでいるので、売却時には完済するべきです。
けれども、所有権が自分にある場合は、自分の書類のみで名義変更が可能なため、そのまま売却してローンはそのまま支払い続けることができます。
残りのローンを早期完済(一括支払い)するのであれば、自分で銀行や信用金庫等に連絡して手続きする必要があります。
車検証には所有者欄と使用者欄がありますが、所有者が自分の場合、使用者は通常空欄(※印)となっています。使用者欄に他の方の名前が入っていても特に問題ありません。売却時の名義変更には自分の書類のみでOKです。
パターン2:車の所有権がディーラー若しくはローン会社等にある場合
こちらの場合は「所有権有り」と言い、ローン残金を完済しないと車が売却できません。
なぜなら、車の名義変更には所有者の書類が必要となり、所有者(ディーラーやローン会社)がローン残金を完済しないと名義変更書類を出してくれないからです。名義変更書類とは、印鑑証明書、委任状、譲渡証のことです。
車を売却するためにローン会社等から書類を出してもらう手続きを所有権解除手続きといいます。所有権解除手続きを行うためにはローン残金が完済していることが条件となります。
業者に車を売却する場合、所有権解除手続きは業者がやってくれます。ローン残金が残っていても、売却代金と相殺して手続きを行ってくれます。
ローンが残っている車の売却に必要な書類は?
売却に必要な書類は所有権の有り(所有者がディーラーやローン会社)無し(所有者が自分)によって異なります。それぞれの必要書類は下記表となります。
所有権の有り無しで大きく書類が異なることはありません。異なる点として、所有権が有りの時は免許証コピーが必要となります。こちらは主に業者がローン残金を確認する時に必要となります。
ローン残金が売却代金を上回る場合は差額を支払う必要がある!
ローン残金が売却金額を上回る場合は、差額を支払わなければなりません。購入時にフルローン(購入金額全額をローンで組むこと)を組んだ場合は、売却金額をローン残金が上回ることがほとんどです。
例えばローンが100万円残っている車の売却金額が70万円だった場合は、30万円を支払わなければなりません。
その差額(追い金といいます)は現金で支払うことが一般的ですが、業者によっては差額分をローンで組めるところもあります。但し、こちらのローン(追い金ローンといいます)は金利が高い(13~18%前後)ためおすすめできません。現金で支払うことをおすすめします。
ローンが残っていても売却金額がローン残金を上回っていれば特に問題なく車の売却が可能です。売却金額からローン残金を差し引いた金額を受け取って、後の手続きは全て業者がやってくれます。
ちなみにローン残金は一括返済すると金利分の戻りが若干あります。(戻り金といいます)
ローン残金が売却金額を大幅に上回ってしまう場合は、無理して売らないほうがよいかと思います。
どうしても売らなければならない事情がある場合は別ですが、しばらく乗り続けることによりローン残債金額と売却金額の差異が小さくなるケースが大半です。
なぜなら、ローンの支払額のほうが車両相場の下落金額より大きいことが多いからです。
次に車を購入する店でローン残金を上乗せできる場合がある
次の車に乗り換える時に、ローン残金が売却金額を上回る場合の追い金を次の車の購入代金に上乗せできることがあります。追い金を含めてローンを組むことをオーバーローンと言います。
ただし、オーバーローンは購入する車両代の25%までなど、ローン会社によって取り扱いが異なるため前もって相談する必要があります。
ローン残金を確認する方法は?
自分の車のローンがどのくらい残っているかわからないという時は、ローンを組んだ会社に連絡すればすぐに教えてもらえます。ローンを組んだ会社を忘れてしまったという時は、車を購入した販売店に問い合わせることで教えてもらえます。
販売店でローンを組んだ時は、販売店でローン残額の詳細を教えてもらうこともできます。
少しでも手取りを増やすために車を高く売る方法とは
ローンの残債がある時は、少しでも車を高く売ることで手取り金額を増やすことができます。また、ローン残額が車の売却金額を上回る場合は差額を支払う必要がありますが、少しでも高く売ることで出費を減らすことができます。
ローン残額と車の売却金額の差額が小さい時は、ローン残額まで車の売却金額を上げてもらう交渉すると良いでしょう。
例えば、ローン残額が100万円で車の査定金額が90万と言われた場合に、”ローンが完済できる100万円まで金額を上げてもらえたら売ります!”と言って交渉することです。
売却金額(買取金額)を上げるには複数の業者を比較することをお勧めします。なぜなら、複数の業者が競合することで金額が上がるからです。
複数の業者に依頼する際は、カーセンサーネットの一括査定サイトを利用することをお勧めします。リクルート社が運営しており実績があることと、複数の業者を簡単に絞り込んで依頼できるため便利です。
複数の業者を比較するのは面倒という方は、筆者の経験上高く売れる確率が高い「ビッグモーター」に依頼することをおすすめします。
カーセンサーネットを利用して依頼することで、複数の競合があると思わせられ足元を見られることがありません。
査定の申し込みは下記公式サイトから可能ですので、売却を考えている方は検討してみてください。
買取業者から営業電話が掛かってくるのはイヤだし、交渉するのも苦手・・という方は、営業電話が掛かってこず、交渉も不要という「ユーカーパック」というサービスがあります。
「ユーカーパック」とはユーザーの車を欲しい買取業者が、ネット上のオークションで、入札方式により値段を提示するという新しいサービスであり、相場よりも高く売れる可能性があります。
思ったより入札が入らず、売買が成立しないという場合もありますが、査定料や出品料は無料です。(成約時には手数料1万円が発生)
査定申し込みは下記公式サイトから可能です。
ユーカーパックの詳細は下記記事にまとめていますので、参考にしてください。
最後に
ローンを支払中の車の売却は面倒というイメージがありますが、それほど難しいことはありません。買取業者に依頼する場合は、手続きはすべて買取業者が行ってくれます。
個人間で車を譲る時は、手続きを当事者間で行う必要がありますが、そちらも特に難しいことはありません。
ローンが残っていても書類さえしっかりそろえば名義変更は簡単です。
詳しい手続きは下記記事にまとめていますので、よければ参考にしてみてください。