車の買取契約後に買取店から契約金額を減額されることはあるのでしょうか。
「一括査定サイト」で申し込んだ買取店での契約後に査定額を減額された!という苦情も実際にあります。
きちんと契約を交わしたのに、後から金額が下がるのは納得いかない!と誰もが思いますが、実際に買取店から契約期間額の減額を迫られることはあります。
具体的には、買取契約後に以下のようなケースが発覚した場合に、買取店から契約金額の減額を要求されることがあります。
ケース② 走行メーターの巻き戻し(改ざん)があることがわかった
ケース③ 過去に車が水没していたことがわかった
ケース④ 車に大きな不具合があることがわかった
ケース⑤ 過去にレンタカーとして利用されていたことがわかった
買取契約後の減額は買取店とユーザーの間でトラブルになることが多く、前もって予備知識として持っておくことをおすすめします。
本日は買取契約後の減額となりうる内容と、各ケースの対処方法について、中古車業界に15年所属した筆者が解説します。
実際に起きる!買取契約後に減額されるケース
ユーザーと買取店の間で合意し、買取契約を交わしたにも関わらず、なぜ買取金額を下げられるのでしょうか?
主な理由は、短時間の査定時には車を完ぺきに査定することはできなく、見落としが発生するからです。
実は単純な見落としのレベルから熟練の査定員でも見抜けない不具合まで、いくつかのケースがあり、買取金額の減額を迫られることは実際にあります。
買取金額を減額されるよくある5つのケースを下記に記載します。
ケース①買取契約後に事故車であることがわかった
買取契約時は無事故車として契約したが、実は事故車であったということがわかり、買取店から減額を要求されることがあります。
これは、査定時に車が事故車であることを見抜けなかった買取店のミスでもあるのですが、大手買取店の契約書では隠れた瑕疵(事故車ということ)は売り手の責任であると記載されているため、契約金額の減額を要求できるというものです。
近年の車の構造は複雑化しており、特に高級車ではエンジン回りが見にくいという理由で、正確な査定がしづらく事故車を見抜けないということがあります。
売り手にとっては納得のいかないものですが、中古車買取業界では長く慣習となっています。
事故車と無事故車では車の価値が大きく変わり、事故車と判断されるとだいたい2~3割くらい下がります。
ただ、近年は消費者保護の観点から減額の要求は少なくなってきており、大手買取店のカーセブンやネクステージのように減額は一切しないと公言しているところも出てきています。
カーセブンの減額禁止宣言は下記記事に纏めていますので参考にしてください。
ケース②走行メーターの巻き戻し(改ざん)があることがわかった
走行メーターの巻き戻しとは車の値段を実際より高く見せかけるために、走行距離のメーターを実際の距離より少なく表示させることです。
これは一種の詐欺行為にあたりますが、中古車を購入したら実はメーター改ざん車であったということは、実際にあります。
メーターを巻き戻している車は走行不明車といい、走行距離がわからないため、買取金額が著しく下がります。
また、メーターを交換していて、交換時の記録が残っていない場合も走行距離不明車ということで、メーター巻き戻し(改ざん)と同じ扱いになります。
走行距離が不明となると、車種や状態にもよりますが、買取価格が半値以下になることが多いです。
そのため、買取契約後に走行不明と判明した場合は、買取価格の減額若しくは車の返品を要求されます。
減額を回避するには、査定時に走行メーターの調査をしてもらう方法があります。
日本オートークション協議会が運営する走行メーター管理個別検索システムというシステムで、過去にメーターの巻き戻しがあったかどうかを調べることができます。これは、過去のオークション出品履歴から走行距離の推移を調べるものです。
大手買取店はこのシステムを利用し、車の買取後に走行メーターの不正がないか調査します。システムでの調査はWEB画面上にて数分で可能なため、査定時に依頼し前もって調べてもらうことで、買取後の発覚を防ぐことが出来ます。
ディーラーの中古車販売店で購入した場合など確実に走行距離が正しいことが分かっている場合は問題ないですが、ネットオークションや個人売買などで購入し、履歴がわからない場合は、メーターの調査を依頼しておいたほうが良いでしょう。
ケース③過去に車が水没していたことがわかった
水没歴のある車は水害車若しくは冠水車といって車の評価が著しく下がります。
買取契約後に水害車と発覚したら、減額若しくは返品を要求されます。オークションの出品履歴で水害車と判明する時もあります。
中古車販売店で購入した場合は、販売店に確認することをおすすめします。
販売店にもよりますが、返金や再買取の対応を取ってくれる場合もあります。
ネットオークション等で購入した場合は、ノークレームということで対応してもらえない場合がほとんどです。
ケース④車に大きな不具合があることがわかった
買取契約後に車に大きな不具合があることが判明し減額を要求されることがあります。
この場合の不具合とは、走行性能に関わる大きなレベルであり、査定時にチェックできるエアコンやライトなどの電装系の不具合は特に問題にされません。
エンジン本体が不調であったり、足回りがおかしく真っ直ぐ走らないなどというレベルです。こちらのケースは稀であり、そのような不具合が生じる際は、査定に出す前から何かしらの前ぶれがあります。
トラブルになることを防ぐためにも、車に何かしらの不具合がある時は前もって買取店に告知しておくことをおすすめします。
ケース⑤過去にレンタカーとして利用されていたことがわかった
買取契約後に車が過去にレンタカーとして利用されていたことがわかり、減額を要求される場合があります。
理由は、過去にレンタカーとして利用されていた車は市場での相場が低いためです。
ただ、過去にレンタカーとして利用されていた場合は、整備手帳で確認できます(登録ナンバー「わ」の記載有)し、レンタカーは新車車検が2年のため、車検の期限からもだいたいわかります。
ほとんどの場合、プロが確認すればわかりますが、稀に車検期限でわからないことや整備手帳が無いことで、買取契約後にわかる場合があります。
オートオークションでは過去のレンタカー歴を管理しているので、後から判明することもあります。
過去にレンタカーとして利用されていたかどうかよくわからなく不安という場合は、その旨を査定時に伝えることで、細かく調べてもらえます。
契約金額の減額を防ぐ3つの方法
上記のようなケースの減額を防ぐ方法は大きく3つあります。
1.契約書に一筆を加えてもらう方法
契約書の中の瑕疵担保条項という、売り手が不利になる条項を削除してもらう方法があります。
そうすることで、隠れた瑕疵(事故車であることなど)があっても減額を要求されません。
具体的には契約書上に「瑕疵担保条項を削除する」とか「契約金額の変更は一切しない」などの記載を加えることです。
2.クレームガードという保険に加入する
ガリバービッグモーターなどの大手買取店が提供するクレームガード(買取保証)という保険に加入することで、減額されることを防ぐことができます。
費用はだいたい1~2万円程度です。内容は買取店によって若干異なりますので、契約時にしっかりと確認することをおすすめします。
上記2つの方法は、過去記事に纏めていますので参考にしてみてください。
3. 契約キャンセル(返品)で交渉する
査定額が下がるくらいなら、契約を破棄(キャンセル)する交渉をするという方法があります。
大手買取店では、契約後一定期間であれば無償キャンセルを認めており、その期間であれば無償キャンセルが可能です。
一定期間後であっても、近年は消費者保護の観点から減額トラブルで難航する場合は、無償キャンセルを認める買取店は多いです。
ただし、車を引き渡していた場合は車を戻す手数料(陸送費)を取られる場合があります。
契約キャンセルにあたっては、業界団体の指導により、買取店に実際に発生した損害(費用)以外は売り手に請求してはならないとされているため、法外なキャンセル料が発生することはありません。
上記のように買取契約後に買取店から減額を要求されることがありますが、契約書上に一筆(瑕疵担保条項削除)を加えてもらったり、クレームガードという保険に加入することで回避することができます。
そんな手間をかけたくないという方は、「カーセブン」や「ネクステージ」のように減額をしないと公言している買取店に依頼したほうが良いです。そのほうが安心度は高まります。
とにかく高く売りたい!という場合は、近年自社での販売が好調な「ネクステージ」に依頼することをおすすめします。
カーセブンやネクステージに査定依頼する際は大手一括サイトのカーセンサーネットを利用すると簡単に依頼することができます。
メールでのやり取りも可能です。
複数買取店の話を聞いてみたい!という方は、複数の買取店に依頼することも可能です。
複数買取店と交渉するのは面倒というう方は1社のみを選択することも可能です。