車を買い替える時に自動車保険(任意保険)の手続きはどうすればよいのでしょうか?
今加入している自動車保険をそのまま継続する手続きを含めて、大きく下記3つの方法があります。
① 今加入している自動車保険をそのまま継続する。
② 買い替えをきっかけに、自動車保険を見直し保険会社を切り替える。
③ 車を新しく買う販売店で、自動車保険に入り直す。
だいたいは「①」の今の自動車保険をそのまま継続するケースが多いですが、実は「②」の「車の買い替えをきっかけに、自動車保険を見直し保険会社を切り替える」ことで保険料が大幅に安くなる場合があります。
近年は、保険料の安さで評判が良い「イーデザイン損保」や「ソニー損保」などのネットで申し込みができるダイレクト系自動車保険への切り替えが増加しています。
一方で、次の車を買う販売店で自動車保険に加入する時には、勧められるままに加入すると保険料が高額になる可能性もあるので、注意が必要です。
本日は車を買い替える時の自動車保険の手続き方法と注意点とともに、実際にダイレクト系自動車保険を申し込んだ流れについて、中古車業界に15年所属した筆者が解説します。
車を買い替える時の自動車保険(任意保険)手続きとは
車を買い替える時の自動車保険の手続きは下記3つのケースがあります。
① 今加入している自動車保険をそのまま継続する
手間が少ないのがこのケースです。今の保険の内容はそのままで保険の対象の車だけを変更する手続きです。
自動車保険の保険料は車によって異なるため、次の車種によって保険料が若干変わってきます。排気量が大きく変わらなければ、保険料はそれほど変わりません。
手続きは次の車の車検証(名義変更後のもの)を加入している保険会社に送るのみとなります。車検証を送ると、新しい保険料等の詳しい内容の連絡があり、支払い方法を含めた注意点を教えてくれます。
通常は、次の車を購入する販売店で手続きを代行してくれ、詳しい内容も教えてもらえます。保険会社のほうで手続きが完了すると、新しい保険証券が送られてきます。
② 保険内容を見直し、保険会社を切り替える。
車の買い替えをきっかけに自分で保険内容の見直しを含めて行い、他社の保険に切り替えるというケースです。自動車保険の補償には対人賠償と対物賠償という2つの柱がありますが、その条件が同じでも保険会社によって大きく保険料が異なります。
近年の保険会社は主に販売店で加入する「代理店系」とネットで申し込みを行う「ダイレクト系」に分かれます。それぞれのメリット・デメリットを下記表に記載しました。
ダイレクト系 | 代理店系 | |
メリット | 保険料が安い
ネットで内容を選択・申込でき手軽 |
担当者と細かく相談できる
手続きを代行してくれる |
デメリット | 自分で補償内容を決める必要がある
相談できない |
保険料が高い
しつこく勧められる時がある |
ダイレクト系の保険会社の特徴は保険料が安いことです。ダイレクト系とはネットで資料請求から申し込みまでが完結する保険会社のことであり、近年大きくシェアを伸ばしています。CMを多数展開している「ソニー損保」や「イーデザイン損保」などが該当します。
ダイレクト系の保険料が安い主な理由は代理店系の保険会社に比べ人件費が掛かっていないためです。ダイレクト系の保険会社はネット上で申し込みが完結するため、ネットに慣れている方にとっては手軽です。
一方で、代理店系と呼ばれる保険会社は、文字どおり代理店を通して加入する保険であり、中古車(新車)販売店が主な代理店となっています。こちらは、代理店の担当者が保険内容の提案や申し込み手続きを行ってくれるメリットがありますが、保険料が高いというデメリットがあります。
「ダイレクト系」を含めた各社の見積もりを確認する方法としては、下記のような一括見積もりサービスを利用すると、現在の保険料と比較ができます。現在の保険証券を確認しながら各項目を入力していくと、各社の見積もりを取得できます。
年齢条件や補償内容を変更した見積もりを取得することも可能です。
見積もりを取得後、実際に切り替える際は、運転免許証や現在の保険証券、新しい車の車検証(名義変更後のもの)を提示する必要があります。
ダイレクト系自動車保険主要5社の特徴と保険料の比較については下記記事にまとめていますので参考にしてください。
③ 車を購入する販売店で、自動車保険に加入する。(保険会社を変更する)
車の販売店は自動車保険の代理店をしており、車の販売時にはほぼ必ず勧めてきます。手続きは販売店で全て行ってくれるため、手間は少ないです。この場合、加入する保険は「代理店系自動車保険」となります。
ただし、加入している自動車保険を見直してメリットのある提案であれば良いのですが、保険に加入させたいがために、強引に勧めてくる販売店もありますので注意が必要です。
現在加入している保険と比較して、本当に必要な内容かを確認することをおすすめします。車両保険(自損事故等の補償)が必要でないのに追加で加入を勧められ、大きく保険料が上がるおそれもあります。
任意保険の販売は販売店の大きな収入源のため、必死で勧めてくるところが多いです。最近では、中古車販売大手のビッグモーターが「保険のノルマ」を達成できなかった店長に罰金を支払わせていたのではないかと話題になっています。保険獲得の営業へのプレッシャーは相当のものと思われます。
実際にダイレクト系自動車保険に切り替えてみた!
今回、車の買い替えをきっかけに自動車保険を切り替えてみました。今乗っている車の自動車保険は代理店系自動車保険である「あいおい損保」からの切り替えです。
まず、自動車保険一括見積サービスで、新しく購入する車の情報や申込者(本人)の情報を入れて見積もり申込します。すると、30分以内に各社から保険料金額の提示がメールでありました。
特に電話連絡はなく、全てメールでの提示です。
一括見積サービス上の専用ページで各社の見積もりが下記のように一覧で見れてとてもわかりやすいです。
注意したいのは、各社の見積もりは特約や年齢条件など若干の条件に違いがあることです。
今回の例で言うと、値段が最も安いのは「アクサダイレクト」ですが、弁護士費用特約の補償がついていません。弁護士費用補償とは、事故の際に当事者同士で折り合いがつかない時に弁護士に相談・仲介を頼む費用を補償するものです。
よって、見積もりの内容を詳しく確認する必要があります。内容が良くわからない場合は、各社サポートの窓口があるのでそちらで確認することをおすすめします。
今回、筆者は安さ重視で考えていたので、そのままアクサダイレクトで契約を行いました。
アクサダイレクトのサイト上で申し込みを行い、支払いはクレジット払いを選択し簡単に契約することができました。その後、新しい車の車検証コピーを送付することで全ての契約が完了しました。
買い替え時の自賠責保険の手続きは?
車の保険は自動車保険(任意保険)とは別に強制で加入する自賠責保険があります。自賠責保険の手続きは買取店や販売店が行ってくれますが、今乗っている車を廃車にする時は、保険料が戻ってくることがあります。
自賠責保険の手続きについては下記記事にまとめていますので参考にしてください。
最後に
自動車保険を他社に切り替えたとしても現在の保険等級を引き継ぐことができます。そのため、等級が下がるというデメリットは無く、他社への切り替えは多く行われています。
近年は、ダイレクト系保険会社が保険料の安さとともにサポート対応や事故対応の評判も上がってきており、注目を集めています。
自動車保険は「知り合いが代理店にいるから」とか「営業マンに勧められたから」という理由で、保険料をあまり気にせず加入されている方が多いです。保険料を安く抑えたいのであればダイレクト系の保険会社をお勧めします。
車の買い替えをきっかけにして、現在の保険の見直しを含めて一度見積もりを取ってみてはいかがでしょうか。