トヨタが提供するサブスクリプション「KINTO」では、「KINTO ONE(中古車)」として、2022年7月から中古車の取り扱いを本格的に開始しました。
「KINTO」のサービス開始から約3年が経過し、「KINTO」で利用終了となった良質の中古車を利用した、新たなサブスクサービスとしています。
直近では、東京・愛知・長野に加えて大阪でも展開するなど徐々に対応エリアを拡大してきています。
ただ、現時点では月額利用料が高め(新車KINTOと同等もしくは若干高い)なことに加え、利用時には月額利用料6カ月分の申込金が必要となるため、コストメリットは薄いです。
なぜ利用料が高めかというと、利用対象の車は高年式であり車両価格が新車と大きく変わらないことと、中古車のため故障リスクが見込まれているということがあります。
一方で、利用する主なメリットとしては、新車と違い「納期が早い」ということがありますが、それ以外は新車のKINTOでも同じメリットとなり、利用料も安くはないことから現時点では「KINTO ONE(中古車)」のメリットは薄いです。
本日は、中古車の利用を本格的に開始したトヨタのサブスク「KINTO ONE(中古車)」のサービス詳細をみていきます。
「KINTO ONE(中古車)」4つのメリット
トヨタのサブスク「KINTO」の中古車版は、群馬トヨタなど一部店舗で試験的にサービス提供されていましたが、本格的に「KINTO ONE(中古車)」としてサービス開始しました。
新車のKINTOと被るものもありますが、「KINTO ONE(中古車)」のメリットは大きく下記4つです。
メリット② 任意保険(車両保険付き!)が付いている
メリット③ 中古車のため納期が早い
メリット④ クレジット払い可能
メリット① 利用料が月額定額でわかりやすく、申込時の手続きもラク
「KINTO ONE(中古車)」は利用料がサブスク方式の定額でわかりやすいということがあります。
利用料に車両代、諸費用、税金、強制保険料、任意保険料、メンテナンス代が含まれており、個別で税金や保険料の支払いをする手間がありません。
毎年税金(自動車税)や保険料を払うのは意外と面倒なため、それらを省けるのは大きなメリットです。
特に保険の更新は、毎年保険料が変動することや、保険会社からのアップグレート提案など、わずらわしく感じることもあり、それらに頭を悩まされることが無いのはありがたいです。
また、メンテナンスも定期的にトヨタディーラーで受けられるため、安心できます。
申込時の手続きはネット+郵送で完結できるため、販売店に訪問したり、営業マンと商談したりという手間が発生しません。
メリット② 任意保険(車両保険付き!)が付いている
通常、他社リース契約では利用料に含まれない任意保険が「KINTO ONE(中古車)」の利用料には含まれています。
しかも、付帯される任意保険は対人・対物の相手方への補償だけではなく、自身の車も補償する「車両保険」も付いており、充実した内容となっています。
運転を誤ってガードレールや電柱などに衝突するという、いわゆる自損事故や当て逃げ、車庫入れ失敗による破損なども対象となります。(自己負担額は最大5万円)
また、事故を起こしたからといって、利用料が上がるということもありません。
任意保険料は若い人ほど保険料が高額となり、車両保険を付帯すると更に高額となります。
仮に20代前半で初めて任意保険に入る場合は、月に2~3万円となることもあるため、保険料が高額となる若い人や、過去の事故等で任意保険等級が低く保険料が高額となる人に特にメリットがあると言えます。
メリット③ 中古車のため納期が早い
「KINTO ONE(中古車)」は新車に比べて納期が短いというメリットがあります。
世界的な半導体不足の影響もあり、新車の場合は、約2~3カ月程度、人気車種であれば5~6カ月かかる場合もあり、納期が長いです。
その点、「KINTO ONE(中古車)」では納期が約4~6週間ということで、早めに手元に欲しいという方に適しています。
メリット④ クレジット払い可能
「KINTO ONE(中古車)」は新車と同様にクレジット払い対応となっています。
手続きが便利であるとともにクレジットカードのポイントも貯まります。
月々のポイント付与額はわずかであっても、3年間にすると数万円分など大きな金額となるためバカにはできません。
「KINTO ONE(中古車)」6つの注意点
上記のようなメリットがある一方、利用時の注意点として下記6つがあり、利用検討時にはおさえておきたいです。
注意点② 月額6カ月分の申込金が発生する
注意点③ 2年間しか利用できない
注意点④ 利用できる車種が少ない
注意点⑤ 走行距離の制限がある
注意点⑥ 利用エリアは東京・愛知・長野・大阪近郊のみ
注意点① 利用料が高め
「KINTO ONE(中古車)」の利用料は高めです。
下記表のように、KINTOで新車を利用した際(解約金フリープラン選択時)と比較して同等若しくは若干高めです。
◆ヤリスクロス(KINTO ONE中古車)
◆ヤリスクロス(KINTO ONE新車)
◆ルーミー(KINTO ONE中古車)
◆ルーミー(KINTO ONE新車)
「KINTO ONE(中古車)」の利用車種は、現時点では新車登録から1~2年以内のものが多いことからか、利用料が高めです。
新車とほぼ変わらない利用料であれば、利用するメリットが薄いです。
注意点② 月額6カ月分の申込金が発生する
「KINTO ONE(中古車)」の利用時には月額6カ月分の申込金が発生します。
これは、「KINTO ONE(新車)」の解約金フリープランと同様の形態であり、2年間という契約期間の中でいつ解約しても解約金が発生しない代わりに、申込金が必要となるというものです。
ただ、サブスクサービスという性質上、月額利用料以外に費用が掛かるというのは、ユーザーとしては違和感があります。
しかも、6カ月分という安くはない金額のため、まとまった金額を用意するのも大変です。
せめて、「KINTO ONE(新車)」のように初期費用フリープランと選択できるようにしたほうが、ユーザーは利用しやすいと思われます。
注意点③ 2年間しか利用できない
「KINTO ONE(中古車)」は、利用から車検満了期限の2年後には契約が終了し、それ以上の利用はできません。
車両が気に入ったからといっても、2年後には返却しなければならないため注意が必要です。
注意点④ 利用できる車種が少ない
「KINTO ONE(中古車)」の利用車種は、現時点(2024年9月)では72台と少ないです。
また、車種では、「ハリア-」、「ヤリス」の2車種が多くを占めており、幅広い車種やグレードからの選択はできません。
よりラインナップが広がると利用しやすくなると思います。
注意点⑤ 走行距離に月1,500キロの制限がある
新車のKINTOと同様に中古車利用時も月間走行距離1,500キロという制限があります。
超過した場合には、満了時に1kmあたり11円の追加料金が発生します。
通勤や通学で利用し、年間数万キロ走るという方には不向きです。
注意点⑥ 利用エリアは東京・愛知・長野・大阪近郊のみ
「KINTO ONE(中古車)」の利用対象者は東京・愛知・長野・大阪のトヨタディーラーが運営する「KINTO」取り扱い店舗のみであり、東京・愛知・長野・大阪近郊のユーザーに限定されます。
徐々にエリアを拡大していく予定ということですが、現時点(2024年9月)では、利用エリアが限定されています。
代表的なサブスクの中で利用料が安いのはクルカ
上記のように「KINTO ONE(中古車)」は現時点では利用料が高めであり、初期費用も発生するということで、大きなメリットがありません。
車のサブスク(カーリース)は、色々なサービスがあり、代表的なサービスとその特徴の一覧を下記にまとめました。
利用料をとにかく抑えたいということであれば「クルカ」が適しています。
「クルカ」は「KINTO」と異なり、任意保険やメンテナンスが含まれていませんが、契約終了後の残価を極力高く設定することで月々の利用料をおさえています。
「クルカ」について、詳しくは下記記事にまとめていますので興味がある方は参考にしてみてください。
今乗っている車を高く売るには「オークション方式の買取サービス」を試してみる
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ユーカーパックについて詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
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一方で、「ネクステージ」や「ガリバー」は低年式や走行距離が多い車の高値提示には消極的なため、そのような場合はオークション販売に強い「ユーポス」、「ラビット」を比較することをおすすめします。
頻繁に営業電話が掛かってくるのを避けたい!という際は、1社のみへの依頼も可能です。
最後に
「KINTO ONE(中古車)」は利用料が定額でわかりやすく、充実した任意保険も付帯されるというメリットがあるものの、利用料が高めであり、かつまとまった申込も必要ということで、コストメリットは薄いです。
特に、申込金が必要というのは、手軽に利用するのが難しく、申込金が不要なプランを新設するなどしないと利用者は限られそうです。
KINTOサービス開始時からの返却車両が本格的に戻ってくるのはこれからと思われ、年数が経過した中古車をラインナップに加えて利用料が大きく下がれば、利用者拡大が見込めそうです。
また、対応エリアについても直近で大阪が加わり、徐々に拡大してきていますので、利用エリアの拡張も今後のポイントになります。
中古車ではない、トヨタ・レクサス新車のサブスク「KINTO」については下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。