
車販売大手で東証一部上場「ネクステージ」の提供する中古車購入時の保証はどのようなものなのでしょうか。
ネクステージは、国産車を扱う「総合店」「中型店」「SUV LAND」で1年、2年、3年、10年という期間別の保証プランを提供しています。
ネクステージで提供する保証のメリットは大きく下記3つです。
メリット② 他社整備工場でも保証を受けられる
メリット③ ロードサービス等の特典がつく
一方、注意点としては保証費用が高めということがあります。
本日は、ネクステージの保証について、中古車業界に15年所属した筆者がみていきます。
ネクステージの保証のメリット3つ
メリット① 保証の範囲が広い
ネクステージの保証(1年、2年、3年)は業界最高水準の33機構318項目ということで、保証の範囲が他社に比べて広いです。
多くの他社では保証対象外となる、「オーディオ」や「ナビゲーション」、「パワーウィンドウ」などの電装系部品も保証してくれます。(最大3年まで)
ちなみに、他社大手「ガリバー」では上記電装系部品は1年までの保証となります。
電装系部品は意外と壊れやすいので、3年まで保証してもらえるのは安心できます。
保証加入後1年以内は「バッテリー」や「ブレーキパッド」、「電球」などの消耗品も保証対象となります。
また、保証に加入すると定期点検やオイル交換を下記回数分、無料で受けられます。
保証期間 | 1年 | 2年 | 3年 |
無料点検 | 3回 | 4回 | 5回 |
オイル交換 | 2回 | 4回 | 6回 |
メリット② 他社整備工場でも保証を受けられる
車に不具合が起きた時、ディーラーなどの他社の整備工場で保証を受けることも可能です。
ネクステージの店舗が自宅から遠い場合に、近くの整備工場で保証が受けられるのは助かります。
実際に他社の整備工場に持ち込む際は、前もってネクステージに連絡する必要があります。
メリット③ ロードサービス等の特典がつく
ネクステージの保証に加入すると以下の項目が特典して付与されます。
1.ロードサービス無料
車が動かせなくなった場合に、100キロまでの搬送を無料で行ってくれます。バッテリー上がりやキーのとじ込み、ガス欠などの不測の事態時にも安心です。
2.帰宅支援サービス
自宅から100キロ以上離れた場所で車が自走不可能となった場合に、自宅までの帰宅費用を支援してくれます。上限は2万円×乗車人数となります。
3.ボディキズ直し1万円保証
車をこすってしまったなどの場合に、鈑金工賃を1万円割り引きしてくれます。
4.カーナビ・オーディオメーカー保証2年延長
購入時にネクステージでカーナビ・オーディオを付けた場合(5万円以上)に、メーカー保証を2年延長して最長3年まで保証してくれます。通常メーカー保証は1年であり、その場合2年延長して3年の保証としてくれます。
ネクステージの保証料金は高め
上記のようなメリットがあるネクステージの保証ですが、保証料金は他社に比べて高めです。
一例として、中古車販売大手ケーユーの保証料と比較した表は下記となります。
※車種は2,000CCミニバンクラスと仮定
通勤や通学で利用するなどで頻繁に利用する方は万が一のために保証に入っても良いかと思いますが、土日しか乗らないとか、懇意にしている整備工場があるという方でなるべく費用を抑えたいという場合は、加入しなくも良いかと思います。
高年式の車であれば、メーカーの保証(新車登録から最大5年)を引き継げ、そのほうが費用(約1~2万)は安価です。
ネクステージの保証は最長10年
ネクステージでは10年という長期間の保証も提供しています。
10年の保証は、上記の3年までの保証に比べて補償範囲が5機構76項目(3年保証までは33機構318項目)と狭くなります。
具体的には「エンジン」「トランスミッション」「ハイブリッド」「ステアリング」「ブレーキ」の保証となり、オーディオなどの電装系部品は保証されなくなります。
メーカーの保証に準じた走る、止まる、曲がるという車の走行に大きく関わる部分のみの保証となります。
10年の保証料金は車種により異なり約10~15万円となります。2,000CCのミニバンクラスであれば11.9万円となります。
10年の保証に加入できる条件として、車の初年度登録から7年以内と販売時の走行距離が7万キロ以内という条件があります。
10年以内に車を手放したり、乗り換えをした場合の返金はありませんので、3~5年程度で乗り換えるという場合は加入しないほうが良いかと思います。
輸入車の保証は別の料金体系
ネクステージで扱う輸入車の保証は別の料金体系となります。
ネクステージで輸入車を扱う専門店「ユニバース」の保証でベンツCクラスの保証料は下記となります。
ネクステージの輸入車の保証は、他社では通常カバーしない電装系部品も保証対象としていますが、保証費用は高めです。
高年式の車であれば、メーカーの保証を引き継げるため、そのほうが費用としては安く上がります。
ネクステージの輸入販売店「ユニバース」について詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
ネクステージの買取は好調
ネクステージは全国の販売店での販売好調に伴い、在庫確保のため買取強化を継続しており、買取台数は急激に増加しています。
下記グラフのようにネクステージの買取台数は右肩上がりで、直近の年間買取台数は25.4万台(2024年11月期)とガリバーの年間買取台数16.2万台を大きく超えて業界トップです。
◆ネクステージ年間買取台数の推移グラフ
※買取台数はネクステージ決算説明資料より
ネクステージでは自社の販売店で展示できる車両を集めており、高年式や走行距離が少ないなど良質車は特に高値を提示します。
また直近では、中古車相場が再度高騰しており、ネクステージの条件に沿う良質車は特に高値が提示されます。
一方で、ネクステージは自社で再販が難しい、低年式や走行距離が多い車は積極的に高値を提示してきません。
そのような場合は、ネクステージの下取りに出す前に、複数買取店を比較することをおすすめします。そのほうが高く売れる確率が高まります。
査定依頼する場合は、下記カーセンサーネットを利用すると簡単に大手買取店を絞り込んで依頼することができます。
複数買取店を比較するのは疲れるし、面倒という場合は、下記公式サイトより「ネクステージ」1社に査定依頼することも可能です。
最後に
近年のネクステージは全国に店舗を出店し、急速に規模を拡大しています。直近の決算(2024年11月期)の売り上げは5,527億円と、ガリバーやウィーカーズを上回り業界トップです。
そんなネクステージですが、ネット上での評判はあまりよくありません。
評判がよくない主な理由は、コーティングや保証などを強く勧められることがあるというものです。
保証の必要性はどのくらいの頻度で乗るかとか、どのくらいの期間乗るかなど個々の事情にもよりますので、自らに合ったプランを選択したほうが良いです。
ネクステージの評判については、下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。