「ビッグモーター」から社名変更した「ウィーカーズ」は、不祥事によるイメージダウンを取り戻すべく店舗外装の刷新など再建を進めています。
販売手法についても、「ビッグモーター」時代から一部変更し、顧客満足度の向上を目指しています。
現時点で、主な変更点は下記2つです。
変更点② ローン金利の値下げ(9.9%⇒6.9%)
本日は、ビッグモーターから社名変更した「ウィーカーズ」で中古車検討時に知っておくべき諸費用やローン金利を中心に見ていきます。
ウィーカーズの総額表示はあくまで最低限の見積もり
ウィーカーズは自社サイトやカーセンサー、グーネットで自社在庫を掲載しており、車両本体価格・諸費用・支払総額を明示しています。
明示されている諸費用は100~300万円前後の価格帯で、5~15万円と他社と比較しても安めです。ただ、この諸費用はあくまで名義変更をして納車できる状態にするのみの費用のため注意が必要です。
納車整備や管轄外登録費用、保証費用などは別料金となります。
実際、私も店舗に訪問し、気になった車両について、表示されている支払総額以外に何か費用がかかりますか?と聞いたところ、「この車は車検が切れているので、車検整備費用がかかるのと、お客様の地域に登録する管轄外登録費用、あとは保証や希望ナンバー、コーティング費用は別途かかります。」との回答でした。
ちなみに、2,000CCの乗用車クラスで追加となる車検整備は約5万円、保証費用は3年で約8万円とのことでした。
車によってはナビやETC、ドライブレコーダーなどの追加費用が発生する場合もあります。
支払総額は整備もなくあくまで最低限の金額のため、何かしらの費用は追加になると思っておいたほうが良いです。
ウィーカーズのローン金利は基本6.9%
ウィーカーズで提供しているローンの金利は基本6.9%とのことで、ビッグモーター時代の基本9.9%より値下げされています。ただ、値下げされていても銀行系や保険会社の自動車ローンに比べて高めです。
なぜ高いかというと、下記表のように金利の大部分はウィーカーズの利益になっているからです。これは他の中古車販売店でも同様です。
ローン金利による利益(ローンのキックバックといいます)は、ウィーカーズの重要な収益であり、どれだけローンによる収益を上げたかで営業マンの評価にもつながります。
筆者の所属していた会社ではローンのキックバックの10%がインセンティブとしてもらえたため、50万円のキックバックがあれば5万円がインセンティブでした。
そのため、営業マンとしてはできるだけ長い期間でローンを組んでもらえるほうがありがたいのです。
ウィーカーズでローンを組むメリットは2つ
上記のように金利が高めなウィーカーズでローンを組むメリットは何になるのでしょうか?メリットは下記2つです。
メリット① 手間が少ない
銀行系の自動車ローンは金利が安いですが、手続きが面倒です。しかも審査にも時間がかかります。
その点、ウィーカーズでローンを組む時は、手間がほぼありません。
審査も約30分程度で、その後は営業マンが用意してくれる書類に記入するのみです。
ローン会社による本人確認も5分程度の電話で完了します。
メリット② 銀行系に比べて審査が通りやすい
ウィーカーズが提供しているオリコやセディナなどの信販系ローンは銀行系の自動車ローンに比べて審査がゆるいです。
銀行系の自動車ローンは連帯保証人が必要だったり、上限金額が設定されることが多いですが、信販系ローンではあまりありません。
ウィーカーズは規模が大きいため、ローンの取扱件数が他社に比べて圧倒的に多いです。
ローン会社はローンの取扱件数が多い取引先を優遇するため、申込者に多少の不安(勤続年数が短いとか他社での借り入れが多い等)があったとしても、通してくれることがあります。
支払利息をおさえるには金利の安いローンを利用する方が良い
ウィーカーズに限らずガリバー、ネクステージなど中古車販売店大手のローン金利は6~9%と割高です。
世間は低金利にもかかわらず、長年に渡り中古車販売店大手のローン金利水準は高いです。
それでも、販売店の営業マンに勧められるままにローンを組む方は多いです。
そのローンを金利の安い別な所で組むだけで、利息の支払いが安くなります。
仮に200万円を5年(60回)のローンで組むと、金利が2.9%と6.9%では下記のように約22万円も支払う利息の差が出ます。(銀行系のローン金利を2.9%と仮定)
ウィーカーズで購入するからといって、ローンもウィーカーズで組まなければならないということは無いため、時間がある方は、銀行や信用金庫などの金利の安いローンも検討することをおすすめします。
金利を下げてもらえる可能性もあり
ウィーカーズの金利は基本6.9%とのことですが、信用状況や交渉によっては下げてもらえる可能性もあります。
営業マンの話では利用するローン会社や信用状況によっては4.9%や5.9%などのより安い金利が適用となることもあるとのことです。
また、筆者の経験上、販売店の金利の決定権は販売店の責任者にあり、長く在庫となっている車を売る時や販売台数が足りない時に例外として金利を下げることがあります。
ただし、単に金利を下げてほしい!と言っても、応じてくれません。そのため、「比較検討しているディーラー系販売店でのローン金利は4~5%でした」のように具体的な数字を伝えたほうがよいです。
ウィーカーズくらいの規模になると、金利の利幅は大きいです。店舗責任者が金利を下げても販売したいと判断すれば、金利が下がる可能性は大きいです。
今乗っている車を高く売るには複数買取店を比較する
乗り換えを考えており、少しでも持ち出しを少なくするため乗っている車を高く売るには複数の買取店を比較したほうが良いです。
ウィーカーズでも買取を強化していますが、高値を提示する確率が高いのは自社販売が好調である「ネクステージ」です。
自社の販売店の在庫拡充のため、年式が新しいとか、走行距離が少ないという再販向きの車は特に高く買い取ります。
また直近では、中古車相場が再高騰しており、良質車は特に高値が提示されます。
一方で、販売向きでない低年式や走行距離が多い車は積極的に値段を提示してこないため、そのような場合は「ユーポス」、「ラビット」を含めて比較したほうが良いです。
複数買取店に査定依頼する際は、下記リクルート社が運営するカーセンサーネットを利用すると、簡単に絞り込んで依頼できます。査定料は無料です。
複数買取店を比較するのは面倒だし、営業電話を受けたくないという場合は、近年利用者が増えてきている「オークション方式の買取サービス」という新しいサービスがあります。
「オークション方式の買取サービス」とは、ユーザーの車に興味がある買取店が、ネット上のオークションで競り合うことで、高く売れるという買取サービスです。
1度査定を受けた後は、オークションの開催を待つのみで買取店との交渉が不要です。
「オークション方式の買取サービス」を展開する「ユーカーパック」は全国の提携買取店最大8,000社から入札を受けることができ、ハマれば驚くほど高く売れるという評判があります。
人気車種や状態の良い車は特に高く売れる可能性があります。
出品者が設定する最低落札価格まで入札が入らず、売買が成立しないという場合もありますが、査定料や成約料などの手数料は無料であり、時間に余裕がある方は試してみてはどうでしょうか。
査定は下記公式サイトから依頼できます。
最後に
大型販売店で色々な車が選べるウィーカーズですが、実際の支払総額については初期で表示されている支払総額より高額になるケースがありますので注意が必要です。
ローンについても、ビッグモーター時代よりも下げられているとはいえ、長期でローンを組むと支払総額が思わず高額になることもあり、月々の支払額とともに総額の利息をしっかりと確認したほうが良いです。
利息を極力抑えたい方は金利の安い自動車ローンをおすすめします。
ウィーカーズについては再建の初期段階であり、今後の改革に伴って新たなサービスが提供される可能性もあることから、今後の展開に期待します。