
中古車の購入を検討しているけど、どこの店で検討するのが良いか迷っていませんか?
ロードサイドには実に多数の中古車販売店がありますが、信用度の高い大手の販売店を選ぶ人は多いです。
大手販売店は在庫を多く持っているため、希望する車が見つかる可能性も高いです。
ただ、大手販売店といっても一長一短があり、どこが良いのかわかりづらいです。
そこで、業界を代表する中古車販売店大手5社をランキング化し、各社の特徴と購入時の注意点をまとめました。
結論から言うと、買取を含めた総合的にはネクステージが優位です。一方で、販売価格(車両総額)はケーユーが安価な傾向にあります。
本日は、中古車業界に15年所属した筆者が、直近での評判や知り合いの中古車業者の話を参考にして、大手5社を比較していきます。
中古車販売大手比較ランキング
下記に年間の売上高が1,000億円以上ある中古車販売大手5社をランキング表にしました。
こちらの表は、筆者が実際に店舗を利用した経験とともに、直近での業界関係者からの評判をもとに作成しています。
ちなみに筆者はこちらの5社の出身ではありません。
ランキング表の右端には参考として2024年オリコンランキングも表示しています。
※各5点 20点満点
1位 ネクステージ
ガリバーやネクステージに比べて後発であるにもかかわらず、急速に規模を拡大しており、2024年11月期の売上高は5,527億円と長年業界を引っ張ってきたガリバーを超えています。
「SUV専門」、「輸入車専門」などのカテゴリごとに特化した販売店を展開しており、店舗の内装も様々です。また、店舗はキッズスペースが充実しており、家族連れに適した設計とされています。
在庫の特徴としては、高年式・走行距離が少ないという良質車を中心にそろえており、質の高さをウリにしています。一方で、諸費用は高めに設定されており、有償の保証やコーティングなどのオプションも高めです。
ネクステージはコーティングも自社で開発しており、オプション販売に注力していますが、営業マンによっては強引に勧められるケースもあり、注意が必要です。
一方で買取のほうは、規模の拡大とともに在庫車両確保のため、全国で買取を強化しており、良質車には特に高値を提示します。
ネクステージの全体的な評判と、コーティングの詳細については下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
2位 ケーユー
創業50年を誇る老舗の中古車販売店であり、長年の実績からのサービス提供には定評があります。
特徴としては、車両価格が安めであるとともに、販売時の諸費用についてもビッグモーターやネクステージに比べて安めです。
車両の仕入れは、オートオークションからの仕入れがメインですが、状態の良い車両を選択して仕入れているため、内外装の質が良いです。
質の良い中古車をできるだけ安く買いたい!というユーザーに適しています。
また、アフターフォローが良いという評判があり、オリコンの口コミでも第3位にランキングされています。
一方で、ケーユーの店舗数は約30店舗でありエリアも関東・北陸・東北・北海道の一部と限定されており、ネクステージやガリバーと比較すると店舗網が狭いです。
ケーユーについて詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
3位 ガリバー
長年中古車業界を引っ張ってきたガリバーですが、近年は販売にも注力しています。
ガリバーもネクステージ同様に「SUV専門」、「輸入車専門」、「軽自動車専門」、「ファミリカー専門」などカテゴリごとに特化した販売店を展開しており、店舗のつくりも様々です。
中でも輸入車専門店「LIBERALA」の展開に力を入れており、輸入車販売台数を年々増やしています。
販売店の在庫車両は自社での買取車両がメインですが、車両価格は他社販売店に比べて高めであり、販売時の諸費用も高めとなっています。
また、基本的に買い取った車をそのまま展示しているため、内外装に損傷がある車もそのままの状態となっています。
ガリバーは小規模の買取店でも販売に力を入れていますが、販売後のアフターフォローは提携工場での整備となるため、時間を要するという注意点があります。
一方で、接客対応に力を入れており、若手に集中的に研修を行うなど、全社で教育に力を入れています。
ガリバーの全体的な評判と、輸入車専門店「LIBERALA」について詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
4位 ウィーカーズ
一連の不祥事を起こしたビッグモーターから「ウィーカーズ」と社名変更し、リスタートしています。各店舗の看板も掛け替えが行われ、2024年11年には「ウィーカーズ山形」という新規販売店の出店もなされました。
ビッグモーター時代より、ガリバーやネクステージと異なり、同一形態の大型販売店を全国に展開しており、各展示場に数百台という在庫の豊富さから希望する車が見つけやすいということと、色々な車種を実際に見ながら検討できるというメリットがあります。
大型販売店には最新設備を備えた整備工場を併設しており、整備を迅速に対応できるというメリットもあります。
一方で、販売時の諸費用は高めであり、有償の保証やオプションをつけると総額が高めとなる注意点があります。
車検については、基本の料金は安めであるものの、追加作業が高めであり、すすめられるままに作業を依頼してしまうと思わず高額になることがあります。
ウィーカーズにおける現時点での販売方法の変更や、ネクステージと共通する購入時注意点については下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
5位 オーバックスカーズ
カー用品販売や車両メンテナンスで有名なオートバックスですが、近年は販売にも力を入れています。
全国約400の提携店で車を購入することができますが、個々の店舗での在庫車両は少なく、画像を確認しながらの商談がほとんどです。
オートバックスで購入するメリットは、カーナビやドラレコ、アルミなどの社外品を自分好みに取り付けられるというメリットがありますが、特にこだわりがない方へのメリットは正直薄いです。
一方で、接客対応が良いという評判があり、オリコンランキングでも1位となっています。
普段よりオートバックス店舗を利用するという方には、購入とともに各種サービスもあり、割引を受けられるメリットがあります。
オートバックスカーズの直近でオープンした店舗を含め、詳しい特徴については下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
ローン金利は各社高め
購入時にローンを組んで購入する場合の金利は、上記各社とも7~9%前後であり高めです。
営業マンとの交渉により、金利を下げてもらえる場合もありますが、下げられても5~6%であり、銀行系やディーラーのローンに比べると高めです。
中古車業界では長年の慣習により、ローン金利のキックバックが大切な収益源となっているため、各社とも簡単には金利を下げてくれません。
ローンを組むのは必ずしも購入店でなくても良いため、支払総額を抑えるには金利の安いローンを組むことをおすすめします。
ただし、銀行系の安いローンは審査が厳しいとか手続きが面倒といったデメリットもあります。
自社ローンはガリバーのみが提供
中古車購入時にローン会社を通してローンを組むことは各社で可能ですが、販売店独自の審査で分割払いを受け付ける「自社ローン」を提供しているのは、ガリバーのみです。ガリバーは「じしゃロン」という名称で、全国46店舗を展開し、月々35,000円や40,000円などの定額払いでの購入を受け付けています。
「じしゃロン」の一番のメリットは、信販会社のローンが利用が難しい方でも、ガリバー独自の審査で分割払いが可能となることです。審査通過率は約90%と高い確率で審査が通ります。
また、自社ローンを提供する販売店は小規模な会社が多いですが、じしゃロンではガリバーの信用を基に分割払いが利用できることや連帯保証人が不要という特徴もあります。
一方で、注意点としては支払総額が高くなることや、対象の車両はガリバーの在庫の一部ということがあります。
ガリバーの「じしゃロン」について、詳しくは下記記事にまとめていますので、良ければ参考にしてみてください。
買取はネクステージに勢いあり
中古車販売大手は在庫確保のために買取にも注力しています。
中でも、ネクステージは自社の販売好調により、中古車買取にかなり力を入れており、買取台数を下記のように急激に伸ばしています。
直近(2024年11月期)では25万台超えとなり、下記のようにガリバーの年間買取台数約16万台を大きく上回っています。
※数値は決算説明資料より
中古車の買取では、旧来「ビッグモーター」と「ガリバー」が業界最大手を争っていましたが、ビッグモーターは一連の不祥事により買取台数を落としており、直近では、ネクステージが業界最大手となっています。
ネクステージの希望在庫に沿うような、高年式・走行距離が少ないという良質車であれば特に高値が提示されます。よって、車の乗り換えや売却を検討している方はネクステージを含めて数社比較することで、高値で売却できる可能性が高くなります。
一方で、年式が古いとか走行距離が多いなどの次に販売しづらい車はネクステージやビッグモーターは積極的に高値を提示してきません。そのような場合は、オークション販売に強い「ユーポス」や「ラビット」を含めて比較することをおすすめします。
大手買取店を比較する場合は、下記カーセンサーネットを利用すると、簡単に買取店を絞り込んで依頼することが可能です。複数買取店を比較するのが面倒という場合は、1社への査定依頼も可能です。査定料や成約料は無料です。
直近では、中古車相場が高騰してきており、保有する車の売却を検討している方は早めの行動をおすすめします。査定依頼は下記公式サイトより可能です。
中古車相場は再度高騰している
世界的な半導体不足による新車の納期遅れにより、中古車需要が高まりコロナ禍後の2年程度中古車相場が高騰していましたが、その後、徐々に半導体不足が解消されるにつれ中古車需要も落ち着き、中古車相場は下落傾向にありました。
しかし、最近では円安とメーカーの生産遅れから再度中古車相場が高騰してきています。中古車オークション大手「ユー・エス・エス」における直近(2025年1月)成約単価は下記のように125万円と1年半前の88万円と比べて、約37万円も高くなっており、中古車相場が再度高騰してきています。
※ユー・エス・エスオークションデータより
売買成立台数(成約台数)も下記のように直近半年では増加傾向にあり、2025年1月は16.5万台と前年2024年1月の14.4万台から約14%増加し、中古車売買が活性化しています。
※ユー・エス・エスオークションデータより
そのため、売却を検討している方は早めに行動したほうが良いです。毎年年度末の2月~3月は決算期で相場が高くなる傾向があり、4月になると相場は落ち込みます。
最後に
中古車は同じ車が2台とあるわけではなく、めぐり合わせの要素も大きいです。
自分が買いたい店舗(業者)に希望する車が無く、別な店舗(業者)にあった場合でも、店舗の特徴を事前に知っておくことで、交渉を優位に進められたり、無駄な出費を省いたりすることができます。
乗り換え時の負担を極力抑えるには、販売(購入)時の諸費用やオプションをなるべく安く済ませることがポイントとなります。各社とも諸費用やオプションは重要な収益源のため、営業マンによっては強く勧められますが、不要なものはしっかりと断るべきです。
各販売店は付帯収益確保のために、必死で勧めてくる場合がありますが、オプションを付けなければ売ってもらえないということはないため、毅然とした態度で対応したほうが良いです。
今回取り上げた5社はいずれも国内を代表する大手企業であり、取引の安心度は他の小規模中古車店より高いです。各社は対応が悪いとか諸費用が高いなどのネガティブな口コミもありますが、大手だけに期待していた裏返しの声という面もあります。
中古車購入を検討している場合は、それぞれの店舗の強みや注意点を把握しながら、商談を進めることをおすすめします。