月々定額の利用料でサービスが利用できる「サブスクリプションモデル(サブスク)」が、あらゆる業界で増えている中、車のサブスクも各社様々に提供されています。
近年は、車のサブスク市場にトヨタやホンダなどのメーカーも本格参入してきており、利用者も増加してきています。
ただ、サブスクといっても契約形態はリース形態と同様であり、下記のようなデメリットがあります。
デメリット② 契約期間内の解約は違約金が発生する
デメリット③ 利用時の制限が複数ある
一方で、メリットとしては利用料に各種税金や保険が含まれており、手間が少ないということがあります。法人の場合、経費計上がカンタンというメリットもあります。
本日は、車のサブスクサービスを検討する上で、おさえるべきデメリットやポイントとともに、代表的な5社のサービスを比較していきます。
車のサブスクのデメリット3つ
デメリット① 利用料が高め
車のサブスク(リース)を提供している会社は多くありますが、ほとんどの場合利用料が高めです。
利用料が1万台~と謳っている所も多くありますが、契約期間が長い(7年・9年など)ことや、ボーナス払いを併用しているため、支払総額は高くなります。
利用料が高い理由としては、契約終了時の車の残価が低いためであり、再販価値が高い「SUV車」や「ミニバン」では現金購入したほうが、支払総額としては安価となります。
一方で、利用料に任意保険が含まれている「KINTO」や「SUBARUサブスクプラン」などでは、任意保険料が高額となる方には、購入のように別途高額な保険料を払う必要が無いため、メリットがあります。
デメリット② 契約期間内の解約は違約金が発生する
車のサブスクといっても、契約はリース形態のため、契約期間内に解約する場合は違約金が発生します。
違約金の額は、各社によって異なりますが、契約満了までの総支払額を基準とするところが多く、利用期間が短いほど高額となります。
契約期間は3・5・7年から選択するというサービスが主流であり、短期間利用や利用期間が定められないという方には不向きです。
動画配信サービスなど、他業種のように1カ月毎の更新がなぜできないかというと、車は登録の手続きが複雑ということと、一度利用すると再販価値が大きく下がるためです。
そのため、一定期間の契約期間で縛らざるを得ないという背景があります。
近年では、「Hondaマンスリーオーナー」という1カ月ごとの更新で、レンタカーに近いサービスも出てきましたが、利用料が高額であり、ほとんど普及していません。
デメリット③ 利用時の制限が複数ある
車のサブスク利用時には制限が複数あります。
利用する車の所有者はサービスを提供する会社となるため、車両返却時には利用開始時の現状で返却する必要があります。
そのため、キズやへこみがあったり内装が損傷している場合は、精算金が取られます。
また、月当たりの走行距離制限(だいたい1,000~1,500キロ/月)もあり、こちらも超過すると返却時に精算金が取られます。
ペットの同乗や社内喫煙も基本NGです。
ナビやオーディオを変更することも、自分で行えば可能ですが、返却時に戻す必要があります。
車のサブスクサービス代表5社を比較
車のサブスクサービスを展開する代表的な5社を比較した表が下記となります。
各社様々な特徴がありますが、ディーラーの整備・点検や任意保険料も含みで安心して利用したいということであれば、「KINTO」、「SUBARUサブスクプラン」をおすすめします。
それぞれのサービスの特徴は下記となります。
① KINTO
トヨタが提供するサービスであり、トヨタ車のみではなく、レクサス車も利用可能です。
サービス開始当初は利用車種が少なく、期間も3年のみでしたが、現在は利用車種の幅が広がり、契約期間も3・5・7年から選択できます。
KINTOの主な特徴としては、任意保険料が含まれることと、定期的な点検がトヨタディーラーで受けられるということです。
利用料についても、老舗のカーリース会社として比較して、安価に設定されており、近年利用者を増やしてきています。
車両保険も付帯される任意保険が利用料に含まれるということで、若い方や保険等級が低い方には特にメリットがあります。
一方、ハリアーなどの残価が高い車種は、残価設定型ローンで購入するほうが総支払額は安くなる傾向にあります。
各車種ごとの詳しい料金等は下記公式サイトから確認できます。
KINTOについて、詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
② Hondaマンスリーオーナー
Hondaマンスリーオーナーの最大の特徴は、1カ月毎の更新で中途解約の違約金が無いということです。
通常、車のサブスクは3年以上という契約期間が多く、中途解約時には違約金が発生します。
Hondaマンスリーオーナーは、そのような違約金が無いため、手軽に利用でき、特に短期間の利用に適しています。
また、他サービスで求められる審査が無いというメリットもあります。
一方で、返却期限(車検時まで)が決まっており、長く乗り続けられない、ということや利用料が高めというデメリットがあります。
Hondaマンスリーオーナーについて、詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
③ SUBARUサブスクプラン
SUBARUサブスクプランの主なメリットは、12カ月、24カ月という短期間契約が可能ということと、利用料に任意保険料も含まれるという点です。
また、中古車を利用することで、利用料を抑えているというメリットもあります。
サービスとしては後発の参入ということで、先行する他社と比較して安価な値段設定をしています。
一方、デメリットとしてはサービス提供して間もなく、利用車種とサービス提供エリアが限られるということです。
SUBARUサブスクプランについて、詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
④ NOREL(ノレル)
中古車販売・買取大手「ガリバー」が提供するNORELの最大の特徴は、最短90日の利用で、何度でも車を乗り換えられるというものです。
利用車種はガリバー在庫約200車種以上から選択でき、色々な車に乗ってみたい!とか、季節によって乗る車を替えたい!という方に適しています。
メンテナンスや任保険料も利用料に含まれ(新車プラン・中古車4・6年プラン以外)、手間が少ないという特徴もあります。
一方、デメリットとしては、利用料が高めということや、返却期限(車検時まで)があるということです。
NORELについて、詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
⑤ オリックスマイカーリース
月額定額の利用料で車を提供できるサービスとしては、老舗であり、5・7・9年という長期の利用もできるという特徴があります。
国産全メーカーから車を選べることや、提携工場でオイル交換や車検が無料で受けられるというサービスもあります。
また、中古車を利用したプランもあり、様々な車種から選択できるというメリットもあります。
一方、注意点としては利用料が高めという点があります。
オリックスマイカーリースについて、詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
車のサブスク検討時におさえるべき3つのポイント
ポイント① 契約期間
車のサブスクサービスの契約期間は3年としているところが多く、契約期間の途中で解約すると違約金が発生します。
3年以外では、5年、7年という長期契約として、提供しているところも多いです。
1カ月毎に更新できるというサービスは「Hondaマンスリーオーナー」くらいです。
契約期間をある程度の期間(3年~)とする理由は、短期間利用では登録や車両貸し出し、償却など運営者側のコストが大きく、採算が取りづらいという理由があります。
契約開始してから一定期間が過ぎたら、その後の違約金が発生しないとするサービスもあり、契約期間と違約金の条件は必ずおさえておきたいです。
サブスクと言っても、他業種のように1か月単位ですぐ申込~解約ができるものはほぼないため、注意が必要です。
ポイント② 任意保険付帯有無
車を利用する際の保険料というと、強制保険(自賠責保険)と任意保険があります。
強制保険とは、文字通り強制でかける必要がある保険で、新車登録時や車検時に加入する必要があります。
それとは別に、万が一の事故時に強制保険ではカバーできない、対人・対物・車両の損害を補償する保険が任意保険であり、任意でかける必要があります。
任意保険が利用料に含まれるか、そうでないかは、サービスによって異なります。
任意保険が利用料に含まれるサービスの場合、ユーザー自身で任意保険を契約する必要はありません。
任意保険の内容は複雑であり、契約手続きも煩雑なため、利用料に含まれていて、手続が不要というのはユーザーに大きなメリットとなります。
また、任意保険が付帯されているサービスは、保険料が高額となりやすい「若い人」や「保険の等級が低い」方には特にメリットがあると言えます。
各サービスの案内などに「保険料コミ」と記載されていても、強制保険料のみがコミなのか、任意保険料もコミなのか、異なることがありますので、検討する際はしっかり確認したほうが良いです。
ポイント③ メンテナンス付帯有無
メンテナンスとは、定期的な整備・点検のことであり、利用料に含まれる場合と、そうでない場合があります。
新車で利用する場合、メーカーが無償で行う点検は、無条件で受けられますが、それ以外の整備・点検は、メンテナンスが付いていなければ受けられません。
新車の場合は、万が一故障してもメーカーの保証で対応してもらえますので、別途のメンテナンスの必要性は低いです。
一方、中古車の場合は、新車の保証が受けられないことや不具合が起こる確率も高くなるので、別途のメンテナンスを付けておいたほうが良いです。
今乗っている車を高く売るには複数買取店を比較する。
サブスクのサービスの利用を検討しており、今乗っている車を高く売るには複数買取を比較することをおすすめします。
近年は新車の納期遅れもあり、中古車の需要が高まっており、良質な車は特に高値で取引されています。
また、買取店ごとに得意な車種も分かれているため、複数買取店を比較することで高く売れる確率が高まります。
複数の買取店に査定依頼をするには、リクルート社が運営する「カーセンサーネット」を利用すると簡単に複数買取店に依頼できます。
依頼する買取店は、販売好調で在庫確保のための買取に積極的な「ビッグモーター」か「ネクステージ」を含めることをお勧めします。
複数買取店を比較するのは面倒という方は、1社のみへの依頼も可能です。その場合でも、依頼される側は複数買取店と競合があると考えるため、足元を見られることはありません。
最後に
車のサブスク市場は、上記のようなデメリットがあるものの、利用時の手間が少ないということと、初期費用がかからないというメリットがあり、徐々に拡大を続けています。
メーカー各社も次々に新しいサービスを投入してきており、CMなどでのPRも盛んに行っています。
直近では、7年ぶりにフルモデルチェンジをした新型プリウスの廉価グレード「U」が、トヨタの新しいサブスク「KINTOアンリミテッド」のみで取り扱われるなど、メーカーもサブスク拡大に本腰を入れてきています。
「KINTOアンリミテッド」について詳しくは下記記事にまとめていますので参考にしてみてください。
各サービスには、それぞれ特徴が異なり、利用料だけでは判断しきれないため、自分の利用スタイルや状況に合わせて総合的に判断することをおすすめします。